ブーケを受け取った人は次幸せになる人らしい

百合 一弘 ーゆり かずひろー

綺麗さと残酷さは紙一重

雫が溢れているのがバレないように、下を向いていた。バレたくなかった。知られたくなかった。このムードを守りたかった。


「優! キャッチして!」


大好きな声に無意識に反応して、顔を上げる。雫が空を舞ってそれがキラキラと光る。雫で美しく見せられた物をほぼ本能でキャッチする。綺麗な、残酷なほどに憎らしいほどに綺麗な花束を。


「優も早くしようよ〜共通の話題がもっと増えるよ!!」


私はその言葉に泣くことしかできなかった。優しい、優しい明の言葉が私にとっては残酷だった。


明がそう思ってくれたって、私は幸せになれないのに。明が望んでる形の幸せが来ることはないのに。私が一緒に幸せになりたかった相手は、もう私と一緒に幸せになることは不可能なのに。


一緒に幸せになりたかった。ずっとずっと望んでいた相手の隣は埋まってしまった。その席は空いていない。


「なんで優が泣くのよ〜」


無邪気に笑う明が憎たら愛おしい。綺麗な白いドレスのまま薬指が光ってるまま抱きついてくる明が。短い腕を必死に伸ばして高い位置にある私の頭を無理やり撫でようとする健気さが憎たら愛おしい。


この愛した人と隣でずっと誰よりも長い時間歩むことができたらよかったのに。私じゃダメだったのだろう。最初から、ずっとわかっていたはずなのに。涙は止まることを知らなかった。




















渡された残酷なほど綺麗な花束は、ずっと渡せなかった想いの結晶の隣に今でもずっと置かれている。


いつか、私はあなたの幸せを心の底から願える日が来るのだろうか。あなたの願いを叶えることができるのだろうか__

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ブーケを受け取った人は次幸せになる人らしい 百合 一弘 ーゆり かずひろー @kazuhro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ