とある幻獣の瞬き輝く空の大冒険

人ではなく、空を思いのまま駆ける幻獣ヒポグリフが主人公のファンタジー作品。人間は一瞬話に出てくる程度で、作品内には生き生きとした幻獣たちの生き生きとしたファンタジー世界が広がっています。

純粋で主人公ブルームの一途な空の軌跡は、見る人の視線を奪って、ぐるりと世界を変えてしまう。少年から少しずつ大人へ成長していっても、ブルームの痛いほど純粋な空への想いは変わらず、それが読んでいる自分の胸にストンと真っ直ぐ突き刺さります。

箒星のように空を駆け抜けていくブルーム。読み終えても、消えたその光の名残にじっと目を凝らして探してしまうようにずっと余韻が残っています。かつて何にでもなれると純粋に夢見た幼い日を思い出す。胸が熱くなり、また夢を見ようと空を見上げてしまう素敵なファンタジー作品でした。大人から子供にまでオススメしたいです。

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