アル＝セリック語構文論序説

かつて術者たちは、言葉で世界を編んだ。
《アル＝セリック語》――それは記述のためではなく、命令のために作られた言語。
発音は構文となり、構文は魔術となる。

本書は、失われたこの“魂象動言語”の構造、語順、形態変化、詠唱詩学に至るまでを、体系的に再構築した実録である。

著者アエル・ナヴァルトが、禁書の断片から言語の全貌を解き明かすまで――
その研究の過程自体が、ひとつの物語として読まれることを望む。

あなたがもし、「言葉が現象を支配する世界」に足を踏み入れる覚悟があるなら、
この書は、読むためではなく、“語る”ために在る。