第4話
第八章 林田の告白
翌日、体育準備室で林田が井上を呼び出す。
「先週の体育館……僕、見てしまったんです。田中君との……キスを」
「それは……事故みたいなもので……!」
「このままでは田中君の未来が壊れる。僕があなたの恋人になれば、彼も諦められる」
「それ……脅迫よ」
「違います、これは……愛です」
本気の瞳。その狂気じみた純粋さが、井上の背筋を凍らせた。
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第九章 宮沢の演出
偶然、その会話を聞いていた宮沢。
(……林田、最低だな)
その夜、宮沢は井上にLINEを送る。
「林田に脅迫されていませんか?力になります」
夜のカフェで、井上は彼にすべてを打ち明けてしまった。川島が脅迫者かもしれないことまで――。
(ふむ。川島と林田が組んでた? いや、それとも……)
宮沢は録音アプリをONにした。
「井上先生、ゆっくり休みましょう。場所は……もう決めてありますから」
そして、彼女に“サプリメント”を手渡した。
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第十章 図書室の夜
夜の図書室に現れたのは、田中だった。
「先生と林田が、井上先生を追い詰めてるって……宮沢先生が言ってました」
「違うの。騙されないで。……私は調べたの、脅迫の犯人は林田先生。でも、本当に危ないのは……」
川島の表情が一変する。
「――宮沢先生よ。彼は洗脳のプロ。心理学を海外で学んでいて、操るのが得意なの」
「そんな……」
田中の目に、初めて“大人の怖さ”が映った。
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最終章 仮面の下
職員室に渦巻く愛情と嫉妬、計算と裏切り。
林田の純粋な愛は、脅迫という形で歪み。
川島の天然は仮面であり、彼女は誰よりも情報を操っていた。
井上は過去の過ちと現在の恐怖に引き裂かれ、
そして宮沢――
彼は笑う。誰も知らない闇の中で。
「さて、次は誰を“教育”しようか」
教え子たちの未来も、教師たちの心も、彼の掌の上にある――。
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職員室の策略 ~教師たちの恋愛戦線~ 奈良まさや @masaya7174
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