互いに魅せられる……その想い

盲目の主人公、椿は両親が亡くなると、叔母夫婦に旅籠を乗っ取られ、養女に出されてしまう。
けれど実際は生贄として売られてしまったのだ。
そこで椿は刀根田村で代々行われてきた儀式で『神の花嫁』となる。

盲目故に、真っ暗闇に動じない姿。芯のある女性だけど、どこか受け身。
そんな彼女だったからか、蔵の中で出会った朧は態度を変える。
同情でもない。
読者から見ても、椿は魅力的な女性なのだ。
朧と話し、知ろうとする優しい心音。
惹かれないはずがない。

そんな二人が選んだ道を、どうか読んでもらいたいです。
ほの暗いけれど魅力的なお話を。