【切り抜き】海蛍てぇてぇまとめ①
@mazurapu
【切り抜き】海蛍てぇてぇまとめ①
みんなの願いが叶いますように。こんばんは! リアライブ2期生の、
みんな、アノマロカリスって知ってる? クワガタみたいな頭に、羽みたいな足みたいなやつがいっぱいついてるやつ! う……思い出したらちょっと気持ち悪くなってきたかも……。うぷ……。
でねでね! そのアノマロカリスって、当時の生態系では最強の生物だったんだって〜! 最強だよ? 一番強いんだよ? すごいよね〜!
ふふん、そうでしょ、勉強にあったでしょ〜。この前水族館で教えてもらったんだ〜。
あ、えぇと……、ひ、一人だよ一人! 一人で行ったんだよ!
え? ど、動物嫌いでも、水族館くらい行くよ!? た、たまにはね! い、いや、動物園とは別腹で……。
うぅ……ごめん、ほんとは
た、たまたまね、海ちゃんと休みが合ってね。それでせっかくだからどこか行こうって話になって、海ちゃんの行きたいところの、水族館に行くことにしたんだ〜。
すっごく楽しかったよ! やっぱり海ちゃんってすごく物知りで、水族館にいる生き物や展示の説明を全部してくれたんだ〜! さっきの話もね、海ちゃんに教えてもらったんだよ!
説明してるときの海ちゃんね、とっても楽しそうでね! ずっと見ていられたな〜。海ちゃんの笑った顔、綺麗で可愛いんだ〜。
本当はね、水族館も動物園と同じくらい苦手で、行きたくないなぁって思ってたんだ。でも今回は全然平気だったの! むしろ、もっともっといたかったな〜って思ったくらい! 不思議だよね〜。
あ、もしかして、海ちゃんと手を繋いでたからかも。海ちゃんが隣にいるんだって思ったら、なんだか安心してね、こわい〜よりも、あったかい〜楽しい〜って気持ちになれたんだ〜!
また行きたいな〜、海ちゃんと一緒に。
ーーーーーーーーーー
おはよう諸君。リアライブ2期生、
昼すぎだろうと、私の中ではおはようだ。気にしないでくれ。
……ん? この前一緒に水族館に行ったことを、蛍が配信で話していたのか。
『本当は一人で行きたかったんじゃないの?』か……。いやすまない。今までの私の配信を見ていれば、そう思うのも無理はない。何せ、コンビニに立ち寄るのにさえも、かなりの苦痛を感じるようなやつだからな。
だが、蛍は他の人とは違うんだ。
そもそもまず、あのとき蛍は「いつもは自分の行きたいところばかりだから、たまには海ちゃんの行きたいところに行こうよ」と、私に気を遣ってくれたんだ。本当は嫌だっただろうに、一緒に水族館に行ってくれて。
それだけじゃなく、蛍は私の話を、終始楽しそうに聞いてくれたんだ。私の拙い説明など退屈だっただろうに、そんな素振りは一切見せなかった。そんな蛍の姿を見ていたら、なんだか私も、なんというか……すごく、楽しい……ような、気持ちになったんだ。
だから、水族館の一件で……いや、それに関わらず、今後一切蛍のことを悪く言うのはやめてほしい。今までの姿勢と違うのは重々承知しているが、どうか、お願いするよ。
ありがとう。諸君らは物分かりが良くて、本当に助かるよ。
ん? ……あぁ、何度も出かけていることは言ってなかったのか……。
……私が人嫌いになったのは、人の黒い感情に気付くようになったからなんだ。
嫉妬、打算、嫌悪、偽善。そんな感情に触れ続けていくうちに、いつしか人が怖くなってしまった。
でも蛍は違う。どれだけ話しても、どれだけ一緒にいても、黒い感情が全く感じられない。むしろ、どんどん心地よく感じてさえしまうんだ。
だからだろうか。蛍とはもっと一緒にいたいし、蛍のことはもっと知りたくなってしまうんだ。まぁ……一方的な思いだと、理解はしているつもりなのだがな。
『でも蛍ちゃんも、楽しかったって言ってたよ!』
……え? そう、だったのか……。…………よかった……。
ーーーーーーーーーー
「みんなの願いが叶いますように。リアライブ2期生の、願咲蛍だよ!」
「おはよう諸君。リアライブ2期生、葉加瀬海だ」
「今日はMINマットレス様の商品を紹介していく。いわゆる案件配信というやつだ。三回目の2期生コラボが案件配信というのは、少しあれだがな」
「私は海ちゃんと一緒なら、なんでも楽しいよ!」
「ありがとう蛍。私も同じだよ。担当者様からも、私たちの話多めでいいと言われているし、諸君らも雑談感覚で楽しんでもらえると嬉しい」
「それじゃあ、始めていくよ〜!」
「中でも注目の商品は、このダブルサイズの低反発マットレスだ」
「なんとこのマットレス、私たちにも送られてきたんだよ〜!」
「私と蛍、それぞれの家に1つずつだ。なんとも有難い話だよ」
「うんうん。一ヶ月前くらいから、どっちかの家で寝泊まりすることが多くなったから、ほんと助かったよ〜! 最近だと、大体週三日くらいかな?」
「私の記憶が正しければ、少なくとも先週のうち五日は、二人で寝たはずだよ」
「そっか〜。思ってたより一緒にいたんだね! それでね、今回いただいたマットレスを使って、いつも通り二人で寝てみたんだけど、全然体がはみ出なかったよね!」
「あぁ。私は身長が高い方なんだが、それでも問題なかったな。寝心地のほうはどうだった?」
「もうね、すごく寝やすかったよ〜! もうこのマットレスなしは考えられないくらい!」
「そうだな。誇張に聞こえるかもしれないが、本当にそうなんだ」
「あ、でも! いつもは寝ずらいわけじゃないからね! 海ちゃんと一緒に寝るときは、一人で寝るときよりもぐっすり眠れるよ! ほんとだよ!!」
「ふふ、分かっているよ。私だって蛍と寝ていると、すごく心地いいんだ」
「海ちゃんも? 嬉しいな〜」
「ただそれにしても、このマットレスで寝たときは、いつも以上に寝心地がよかったように思うよ」
「そうだよね! なんだか世界に海ちゃんと私しかいない、そんな感じだったな〜」
「世界に私と蛍しかいない、か。実に素敵な表現だね。さすが蛍だ」
「えへへ、海ちゃんありがとう」
「つまり、このマットレスを使えば、大切な人と二人だけの世界にいけるというわけだ。仮に今そのような相手がいなくても、心配することはない。何せ、人嫌いの私にだってできたんだ。諸君らが悲観的になる必要はないさ」
「あ! 海ちゃん、また自分を貶すようなこと言ったでしょ!」
「あっ……、い、いやっ、違うんだ蛍。今のはあくまで、みんなの背中を押そうと思って言った言葉であってだな……」
「ほんと〜? ならいいけど。海ちゃん、すぐ『自分なんか〜』とか、自分を傷つけるようなこと言うんだから。何回も言うけどね、私は今の海ちゃんが好きなの! だから、そんな海ちゃんを悪く言うような言葉、聞きたくないよ!」
「もちろん、心得ているさ。私だって、蛍の聞きたくないことは言いたくないからね」
「うんうん。その調子だよ、海ちゃん!」
「あぁ、いつもありがとう、蛍」
「それで、どれくらい寝心地が改善されたかという話だが……私たちの指標で申し訳ないが、目覚めてからすぐ、近くのカフェに出かけてしまうほどだったんだ」
「そうそう! いつもは『清々しい朝だ〜』って感じだけど、このマットレスを使ってからは『清々しい朝だ! カフェにでも行っちゃおうかな!』って感じなんだよ!」
「いや、本当にその通りなんだ。それで実際にカフェに赴いたわけなんだが、あのときはかなり驚かされたよ。まさか蛍がブラックコーヒーを嗜むとはね」
「ふっふ〜ん♪ 私だって、ブラックを味わえる立派な“れでぃ”なんだから! 海ちゃんはイメージ通りのブラックだったよね」
「実を言うと、本当はいつも少し砂糖を入れるんだがね、あのときは見栄を張っていたんだ。どうにも蛍の前では、かっこつけたくなってしまってね」
「えっそうだったの!? 全然気付かなかったよ〜! あ、でも……何か悩みがあったら、隠さないで相談して欲しい、かな……」
「もちろんさ。コーヒーの件は、単に私が楽しくてやったことだ。今は蛍のおかげで充実した毎日を送れているが、もし何かあったらそのときは、遠慮なく頼らせてもらうよ」
「うん! もう一人で抱え込まなくていいからね!」
「あぁ。蛍も困ったことがあったら何でも言ってくれて構わないよ。特に機材周りのことは、今後も任せてくれ」
「う……少しは自分でできるようにガンバリマス……」
「ふふ、蛍は本当に可愛いな」
「もう〜! 海ちゃんってば〜!」
「ではそろそろ配信を締めようと思うのだが──ん? え……か、完売……!?」
「え!? ウソ!? まだ配信始めてから1時間くらいしか経ってないよ!?」
「……どうやら荒らしや転売目的によるものではないようだし……まぁ、いい……のか?」
「と、とりあえず、これからもよろしくね〜!」
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