風鈴 ちりり
紫陽花
風鈴 ちりり
青空に風が舞って心地よい日和
といえるのは フル稼働しているエアコンのお陰
窓から見える風景は 既に夏の様相で 心くすぐられる
いつからか聞こえる風鈴の音
何とも涼やか 凛とした音色が夏空に響く
ちりり・・・ ちりり・・・
夏の頃 よく耳にしたと母は言う
そうなのかと 私は思う
ちりり・・・ ちりり・・・
音色で抗える熱気ではないと思うが
嘗てはこうして 暑さを凌いだのだそうだ
ならば現代を生きる私も 挑んでみようと考える
弾む心に 先が読めない未来を思い描くことは
とても楽しい時間の紡ぎ方だ
しかし
・・・ ・・・
すぐに聞こえなくなる音色
せっかく出した風鈴を 片付けてしまったみたい
うるさいと騒ぐ人って どの程度いるのだろう?
風鈴の音 子供たちの声 除夜の鐘
うるさいと感じたことがないから驚くけれど
聞いていたいと望む音さえ聞こえなくなるのは
寂しいという気持ちを広げる条件を整えてしまいそう
ちりり・・・ ちりり・・・
私がぶら下げてみようかな 軒先に
苦情がきたならちょっとだけ 話を聞いてみよう
うるさいのはあなただよって 言っちゃうかも知れないけれど
お母さんに怒られるくらいですむなら
ちょっと挑んでみたい 愉快な未来だと思う
風鈴 ちりり 紫陽花 @umemomosakura333
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