未来図書館

@nmo001

冒頭

「もし、もし君が、過去未来も含めてすべての人の感情や行動を知れたらどうする?」

「自分が望むように世界を動かすかな?」

「じゃぁ、私がもし、この力を使えるとしたら、君は、なんて思う?」

 その言葉を聞いた私は、彼女がその力を持っているのだと確信した。学生時代、こんなことを言われれば、彼女のことを不思議ちゃん認定していた。しかし、冬の浜で部下として、10代の彼女と対面している今の自分からしたら、彼女にそれだけの力があると思わざるを得なかった。

 思い返せば、こんな魔法を信じるようになったのは、入庁して初日のことだった。

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