強いられた安楽の棺か、己が望んだ火葬か。


 温暖化に歯止めが利かなくなった未来の地球。
 生存が許されない不毛の大地、その例外は仔細までを徹底管理される極楽の監獄のみ。
 死んだかように生きるか、生きたかのように死ぬか。

 後者を選んだ彼らは「サンウォーカー」と呼ばれ、一部に崇められている……


 
 ドライな一作。

 灼熱地獄となった舞台もさることながら、テーマ性や文体に至るまで乾いている。
 熱にあてられ意識が朦朧となる様子は容易に想像でき、こちらも汗をかいた。

 主人公の視点から、サンウォーカーの光と影がはっきりと描かれている。
 モノとなるかヒトとなるかの境目で苦悶し、放浪する彼ら。

 流星のような生の果てには、何があるのか。