概要
全てつながっている、この風のように。
スーサリア王宮の希少ジョブ「祈り師」は、新王子の成人に関わる要職だった。イルカの紋章で知られる北方の美しい国スーサリア、その新王子成人儀式が、広く世界中から注目を浴びていたのは、現代科学でも解明できない絶対的な破壊力を持つ無重力物質の秘術継承が隠されていたから。秘術は400年以上前から、王家によって継承されていた。使いようによっては核も超える無重力物質ベルベス。世界が注目する中、しかし新王子タクヤ本人は、多くの記憶を失い、病におかされ、王宮の惨事に直面してしまう。秘術の何たるかすら知らない無垢なタクヤは、故郷スーサリアから旅立ち、父たる王ディルフィーニが滞在する大国の首都に向かう。その行程において、タクヤはいやおうなく世界の現実を知る一方で、同伴する祈り師ユリの素直な魅力に、強い恋心をいだい