今 死ねる 僕は コウフクかもしれない

ととと とい

今死ねる僕はコウフクかもしれない

僕は不幸だ


毎日べっどの上に拘束されて体中が痛く休むこともできない


何より退屈で


友達と遊びに行くこともできないし少しの運動もできない


もう何もできないのに無駄に欲求だけはあって


毎日お母さんとお父さんが遠いのに来てくれて


なんだか申し訳なくて


親孝行できなくて


自分が惨めに見えて


悔しくて苦しくて


でも最近思う


今死ねる僕はコウフクかもしれないと


だって大人になればこんな苦しみに負けないぐらいの経験をするんだ


それを経験しないですむんだからコウフクだ


だってめんどくさい勉強も仕事も家事もせずに済んだから


だって親にこれ以上の迷惑を掛けずに済むんだから


だって俺がいなくなれば弟が両親から全力の愛情を受けられるから


だってもうこの世界に疲れたから


あぁ実にシアワセだ


このシアワセを感じるために皆には生きていてほしい


僕が感じなかったフコウを感じて生きていてほしい


そうすれば僕はよりコウフクでシアワセを感じることができるから


〜〜〜〜


手紙を閉じて封筒に入れ直す

彼はこれから生きていくことは不幸で今死ぬことは幸福だと書いた

果たして彼の書いたこの言葉は本心なのだろうか

最後に書かれた「生きていてほしい」という一文

文に時々出てくる片仮名

今はいない彼

本心は誰も知らない

ただ彼の望みを叶えるために今を生きる


「あぁ実にフコウだ。今生きていることは。」

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今 死ねる 僕は コウフクかもしれない ととと とい @072410

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