彼らが日常に帰るまで
- ★★★ Excellent!!!
人間は、誰しも秘密を抱えている。何もかもを開けっぴろげにして関係性を築くわけではないのだから、それは当然のことである。
では、高校生の彼らの秘密とは――?
黒板に誹謗中傷文が書かれたことから、この謎は始まる。その誹謗中傷文はあろうことか釘で書かれていた。
果たしてこれはいたずらか、それとも強い恨みによるものか。
そして彼らの『秘密』にも、謎は波及し始める。
とにかく、入りやすい文章である。ミステリーにおいては情報という意味で、文章の入りやすさは面白さとも言えるだろう。その点において、この作品は大変に読みやすく、それでいて分かりやすすぎることもない。
それこそ中盤以降の先の読めない展開は、ドキドキしながら読めること間違いなしである。
果たして彼らは、どのようにして再び平穏な日常に帰っていくのか。
ぜひ、ご一読ください。