夢の中での再会

あかいとまと

夢の中での再会



 君が夢に出てきた。

 それだけで、胸が熱くなった。

 長い間、君の顔を思い出そうとしても、どうしても曖昧になってしまっていた。

 でも夢の中の君は、はっきりとしていた。

 まるで、昨日会ったような感覚だった。


 声が聞こえなかったのが、少し寂しかった。

 でも、最後には笑い声が聞こえた。

 その笑い声は、今でも覚えている。

 あの頃、君が笑うたびに、僕も自然と笑顔になっていた。

 君の笑い声には、不思議な力があった。


 夢の中で、君はパン屋で働いていた。

 君の手で焼かれたパンを、僕は食べた。

 それは、とても美味しいパンだった。

 温かくて、ふわふわで、香りが良くて。

 君が焼くパンには、いつも愛情がこもっていた。


 現実の君も、パン屋で頑張っているのだろうか。

 もし本当にそうなら、とても嬉しい。

 君が夢の中で見せてくれたパン屋は、とても居心地の良い場所だった。

 そこには、優しい光と、心地よい匂いが漂っていた。

 君が笑顔でパンを焼いている姿を見て、僕は安心した。


 長い時間が過ぎた。

 でも、君は変わっていなかった。

 あの頃のままで、優しくて、少し天然で、でも一生懸命な君だった。

 僕は、君とまた会える日を、今でも心のどこかで待っている。


 あの頃、何かがうまくいかなくて、君と離れ離れになってしまった。

 でも、今でも君のことを嫌いになったことは一度もない。

 むしろ、もっと仲直りしたいと思っている。

 君とまた、普通に話して、笑って、過ごしたい。


 もし今度君に逢えたら、僕たちは以前のように戻れるだろうか。

 あの頃のように、何でも話せて、何でも共有できた関係に戻れるだろうか。

 君と過ごした日々は、今でも僕にとってかけがえのない宝物だ。


 君がいてくれたおかげで、僕は多くのことを学んだ。

 優しさ、思いやり、そして、人を信じることの大切さ。

 君がいなければ、僕はきっと、もっと孤独な人間になっていたかもしれない。


 だから、君には感謝している。

 どんな形でも、君と繋がっていることに、心から感謝している。


 夢の中で逢えたこと。

 君の笑い声をまた聞けたこと。

 そして、君が元気にパンを焼いている姿を見られたこと。


 それだけで、僕は幸せだった。


 もし君が、この文章を読んでいるのなら、

 僕は今でも、君のことを大切に思っているよ。

 そして、いつでも仲直りできるのを待っている。


 君がまた、僕の前に現れる日を、心から楽しみに待っている。



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夢の中での再会 あかいとまと @akai-tomato

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