夜空に響く雨音と、屋根の上の出逢い──優しい余韻の童話

──夜更け、雨音に目覚める静かな始まりから、一気に異界へ滑り込むような展開に引き込まれました。
「屋根はウォータースライダーみたい」──この一節の映像美に胸が躍り、奇妙で愛らしい雨降小僧とのやりとりには、童心をくすぐられました。
降りすぎる雨の怖さと、「ほどほど」という人間らしい願い、その対話の妙が優しく胸に沁みます。読後、カーテンの隙間から空を見たくなるような、不思議な余韻が残る物語でした──。

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