現実と幻想のはざまに揺れる情感
- ★★★ Excellent!!!
『夢に咲く名花』を読むと、五感が揺さぶられます。心がざわざわします。でもそれが全然不快ではなく、美しい言の葉が響く、そんな短歌集です。風の匂いに鼓動が高まり、知の平原にひとりたゆとう。ふと幼き日を思い出しながら。柔らかで温かいナニカを思い起こさせるような気がします。一見和風のようなのですが、使われている言葉がオリエンタルの匂いを感じさせ、そしてまた受ける印象にはるかギリシアの賢人たちの会話を思わせるような不思議さがあります。これは読者の勝手な思い込みかもですが好きです。みなさまもぜひ