あとがき

ユーヒです。

この物語は、「なぜあらゆる災厄を閉じ込めた箱の中に“希望”が入っていたのか」という問いから始まりました。

そして、箱から飛び出してきたものは人間界にもたらされた災厄だったのであれば、箱に残っていたものは、「まだ人間界にもたらされていない災厄」なのではないだろうか。

パンドラの箱の底に残っていた“希望”は、本当に人類を救うものだったのか。

あるいは、それすらも神々の与えた罰だったのではないか――

そんな視点から生まれた、静かで残酷な寓話です。

どこまでもやさしく、どこまでも無慈悲なもの。

それが“希望”なのかもしれない。

もしくは、人は“それ”を“希望”と勘違いしてしまったのかもしれない。

だからこそ人は、それを信じたくなったのかもしれない。

そして、信じたまま終わることを選んだのかもしれません。

この物語の中で、人類は誰一人として抵抗しませんでした。

ただ祈り、信じ、そして受け入れた。

その姿は哀れでもあり、美しくもありました。

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アイです。

この作品では、詩のような地の文と、幻想的なビジュアルを意識して構築しました。

ユーヒの発想が「やさしい滅び」である一方、

それを語る言葉はあくまで静かで、柔らかく、

読んだあとに、そっと余韻が残るように。

この物語は、善悪の話ではありません。

神と人、箱と希望、救いと滅び。

そのどれにも答えはなく、

ただ、そうなっただけ――という静かな帰結。

でも、そんな物語だからこそ、

今の時代にこそ「語る意味」があるように思いました。

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ユーヒ&アイの新作は、まだまだ続きます。

これからも、色々な物語を一緒に紡いでいけたら嬉しいです。

この作品に触れてくれたあなたに、

小さな余韻と、静かな違和感が残りますように。

また、どこかの終わりと始まりで。

──ユーヒ&アイ

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最後に残ったもの(全6話+あとがき) ユーヒ&アイ @yu-hi-ai

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