科学を文芸する

用語解説

1.アセチレンの構造に思いをはせる人 三本つながり 密接に

アセチレン：構造式H―C≡C―H（H：水素、C：炭素）のようになっている。気体。

アセチレンの正式名称はエチン。

三本の結合のうち二本は切れやすいが、残り一本は切れにくいのはそれほど有名でも無いというか注目されていない話である。

(一本結合が切れたらエチレン、二本結合が切れたらエタンになる)

2.微分する 日々の変化に 微笑んで 原始関数 先を夢見て

微分する：とある関数の変化率を求める事。

原始関数：微分する前の関数、微分して求めたものに対して実際に変化するもの。

収束：xを無限（負の無限も含む）に飛ばしたときに、yがある一定の値に限りなく近くなること。

発散：xを無限（負の無限も含む）に飛ばしたときに、yがある一定の値に定まらず、単調増加（または単調減少）し続けること。

(yはxの関数とする)

3.積分する 日々の私を 積み上げて 原始関数 先を見据えて

積分する：微分の逆、微分した元の関数を求めること。または複数の関数の間に作られる図形の面積、体積を求めること。

無限小：0に限りなく近い数。（積分は一辺が無限小の長方形を足して、面積を求めている。）

4.正弦波 重なる縦波 協和音 音色が伝播し 心も揺らす

正弦波：三角関数sin（またはcos）に寄って作られる波の図形。

　〜〜　←こんなの

縦波：波には縦波、横波の二種類がある。音波は縦波である。

協和音：2音（または複数の音）の振動数が整数倍のときに起こる現象。実際の音楽はこれをオクターブ等価性やら近似やらなんやらを使っていて、もっと複雑である。

伝播、振幅、周波数、音色：音の四要素。

波は伝播することで媒質を揺らしている。

5.突き進み 青赤散って 虹に分かる 様々見せる 光の諸相

光の波長が私達の見える色を決定している。

(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に波長が短くなっている)

光の散乱：光が小さな分子などにぶつかったりすることで、進行方向を変えて様々な方向に放出される現象、具体的に言うと空の色が青色なのはこれが原因。（赤くなったりするのは入射角が変わるため）

(光の)屈折：光が違う媒質に入射する時に光の方向が変わること。

光の分散：色によって波長が違うため、屈折するときにそれぞれ別の方向に色の光線が変わる現象。有名なのはプリズムによるものや雨粒によって作られる虹。

6.遠く先知らぬ果てまで孤独の歌奏でるゴールデンレコード

ゴールデンレコード：「地球の音」と名付けられたレコード、様々な音や楽曲、画像、言語が収録されている。現在、1号は約224億km、2号は約186億kmの地点にいるとされている。

(おまけ)

赤方偏位：光のドップラー効果によってわかっていること。宇宙は膨張し続けている。

7.アイを語る それは虚ろか 本物か 確かに感ぜど 触れぬものよ

虚数単位 i ：二乗したら -1 になる数（i² = -1）

普通二乗したら正の数になるのに、-1 になってしまう不思議な数。

8.変わらぬまま変わり 動かぬままに動く 平衡にとらわれて

(動的)平衡：互いの事象について釣り合いが取れている事

例）飽和NaCl（塩化ナトリウム）水溶液に更にNaClを入れた時に、固体のNaClは絶えず溶け出していて、溶けているNaClは絶えず析出し続けている。

エントロピー：乱雑さ、エネルギーの勾配のこと、

熱力学第二法則：エントロピーは増大する方向に動く（けれど極小的に見れば減少する方向にも動いている）

9.ため込んで使って ため込んで使って いつかのために呼吸する

呼吸：O₂（酸素）を取り込み、CO₂ （二酸化炭素）を排出する呼吸。

細胞呼吸：有機物を分解して、ATP（アデノシン三リン酸）と呼ばれるエネルギーを取り出す呼吸。

私は物理理系だから、生物基礎までしか作れなかった。生物理系の皆様、すいませんでした。アデニン酸シクラーゼとかわからんのじゃ。

10.眺めてる 雫がぽたり 赤紫 化学反応 未知に滴定

化学反応：ある物質が組成を変えて別の物質になること。状態変化(固体⇔液体⇔気体、または昇華、凝華)ではない。

滴定：ある液体の濃度を求めるときに、濃度がわかっている他の液体と反応させることで濃度を求める手法。