あまりにもわかりにくすぎるかもしれないと思ったので、ここに色々補足を載せようと思う。
ちょっと文体は違うが、少女が来るまでにあそこで起こっていたこと。
キィ、木製の大扉が開く。暗闇の中、侵入者は迷うことなく吊るされた白色電球の明かりをつけた。パッ、良かったフィラメントはまだ切れていなかったようだ。
「……君は誰だ?」
淡い明かりに照らされた|女《お姉さん》――赤みがかった茶髪を雑にまとめ、ボロボロの外套を着ている――は問いかける。毒々しい色の液柱に繋がれたみすぼらしい子供に。かみさまと、|■■■■■■■《ばけもの》と呼ばれた子供は何も言わず、ただ曖昧に微笑みを返すばかりだった。
数拍の沈黙にため息を一つ吐く。
「……まあいい。」
呟きの後、辺りに目を回す。埃っぽい部屋だ。少しだけでも動いたら埃が舞ってしまうほどに積もってしまっている。それこそ何年か放置されていたように。
ガラス張りの棚はひび割れ、部屋の隅では足の折れかけた机が鎮座している。液柱に取り付けられた数十年前の古びた計器だけがこの空間で稼働している。夏の真っ盛りだというのにここは暗くひんやりとしている。
「……ふむ。」
辺りを見回していた彼女は半壊状態の棚の中に紙の束がが残っているのを見つけた。やはりというべきか、古びて、紙の端は持っただけで崩れてしまいそうだ。
紙束を拾い上げパラパラと軽く目を通してみる。意外と多く数十ページはある。漢字と片仮名ばかりの文章で少々読みづらい。
残り数ページになったとき、彼女の手が一瞬止まる。そこには大きく《《機密》》と赤く印が押されており、糊で封がされていた。一瞬手を止めたものの、彼女は迷いなく糊を剥がして読み進める。
白熱電球が小さく明滅する。かみさまは曖昧にこの部屋の真ん中でただ佇んで、古びた計器は細かくメーターの針を揺らしているだけだ。
パサリ、近くの机に放り投げられた紙束が音を立てる。
彼女はかみさまと真正面から向き合う。その眼光は鋭く、冷たい。
「それで……最期にどうしたい?」
答えることのないだろう問いを投げかける。
「復讐か、それとも平穏か?」
やはり答えない。少しの沈黙の後呟く。
「厄ネタだとはわかっていたけれど、来て正解だったもしれない。」
言うべきことは言った、彼女はそう思ったのかしばらくかみさまと見つめ合っていた。かみさまは少し困ったような表情をつくっている。
その時、後ろの扉が少しだけ開いて、キィと音を立てたのは二人には届かなかったようだ。
次にかみさまの正体について、メモをそのまま載せる
※間違っている可能性大!
リトルウィッチ計画書
第二次世界大戦時に計画された代物。超常的な実態を操作することで敵軍を滅しようとした。
具体的には生物学的に強い素体を創り出せるか、オカルト的な方面で超常的能力を得られるか、のように多方面にわたって研究されていた。
日本軍とはうっすら関わりのある、秘密組織が主導して計画が進められた。(約10年ぐらいの長さ(1930~1940))
初期はクローン的な存在を用意することが難しかったので、実際の人間を使用して実験した。被験体は8〜15歳頃の子供が対象。操りやすく、反抗してもすぐに取り押さえることができるため。また、女の子が多かったようだ。
初期は失敗が多く、強化はすれど人間的な知性を失う、植物状態化、強化なしに弱化、など惨憺たる有り様だった。次第に被験体の元の強化幅(受け入れられる量)を伸ばす方向にシフトした。(成功するものが少なかったため)
中期は被験体に手術をすることに寄って、魔術的な”器”の拡大を狙った。失敗も多かったが、初期の頃と比べて成功体が増えてきた。
このあたりから被験体の数が厳しくなってきて停滞期に入る。(この時点で三桁行かないぐらいの被験体が使われた。)
成功体はデータを取って良さげなものは教育して経過観察、破綻しそうなやつは殺処分となった。
前後期、クローンの前身が完成した。魔術的な要素も含んでおり成功率は驚異の0.3%。1年ほどかけて実用可能なところまで持っていくことになる。(失敗したら人の成りかけができる)
実験は概ね良好であり、10人ほどが教育されている状態。新しく作られることは稀になる。
最後期、クローン、いや《《神の招来》》が改変され使用可能になって、魔術適正大の個体を創れるようになった。ただ、コストが馬鹿懸かるので、ワンオフの最強個体を創ろうと最終個体が造られることとなった。
ちなみに少し中身を垣間見ると、どちらかと言うと、神と人間の重ね合わせで融合みたいな理論。
結果、8割ほどの研究員が目覚め、招来の段階でSAN値直葬した。残りの2割は魔術的な耐性を持つ者たちだったが、操るための呪文を唱え始めたところで、謎の力によって押しつぶされて残り3人ほど。
その三人は退避して片田舎の研究所に引きこもることとなった。(後にあの個体を放置するわけには行かないと暴走抑制and弱体化装置を開発し、それにかみさまはとらわれることになる。)
最後にかみさま(最後の被験体)は生き残った元被験体たち10人とともに暮らすこととなる。しかし1年ほどともに過ごした後失踪、50年後に戻ってくることになる。
その10人はかみさまをめっちゃ心配していた。
その間に10人は亡くなる。(実験の代償で生き残るための能力を手に入れたものの総じて寿命が縮んでいた。)10人が転がり込んだ集落がのちの舞台となる。(近くに3人が逃げ込んだ研究者たちがいることは知らない。)
最後に繋がれていたのは暴走抑制装置。
最後に興が乗って書いた文章
かみさまが最期に呟いたのは、
「やだなぁ…………最期にやりたことができちゃった……。」
チカチカと明滅を繰り返していた白色電球は、ついに、バツン、その明かりを消した。
お姉さんが最後に呟いたのは、
「したいようにすればいいさ。まあ、他人に迷惑かけない程度でな。」
少女の背中に向けて微笑む。小さな背中についていく影が振り向き、手を振ったように見えた。
お姉さんは少女が見えなくなるまで見送った後、森の中に消えていった。
その後、本編でも語ったように、少女は日常に戻った。ただその影にはいつも小さな子どもがいたみたいだ。どうやら、かみさまの未練と言うやつらしい。お姉さんのその後は、またいつものようにというべきか、いろんなところを放浪しているみたいだ。面倒くさいことにでも巻き込まれたりしているらしい。
かみさまのその後? そんなのもう分かっているじゃないか。彼、あるいは彼女は死んだ。その後に何が残ったのかは定かではないが……《《未練》》というからには幽霊のようなものなんじゃないのかな。神の幽霊とはおかしなものだけどね。
まあ、もともとあの存在は神であるとは言い難い代物だったからね。十分有り得る。
え? 結局、あのお姉さんは何だったのかって? うーん、ちょっと言い表すが難しいが、あえていうとすると「迷子」かな。使命感だけで人助けをしているようなやつだ、なんの対価もなしにね。……あいつもあいつでクソでかい《《未練》》に縛られているからな……、まあ、またいつか語るとしよう。
少女のその後は語ったかな。日常を過ごした、それに尽きる。今後15年ぐらいはね。次に会うのは、大体彼女が成人する頃かな。それじゃあ、またね?
つづく?
以上です。ここまで読んでくださったら、めっちゃありがたいです。ぜひ、フォローしていってください。