名を奪われても、絆だけは消えない―記憶と存在を賭けた壮大な物語

「名」を問うことすら禁忌とされた世界で繰り広げられる、重厚で哲学的なダークファンタジー。

記憶を失った主人公ユウの成長と、仲間たちとの絆が丁寧に描かれている。
特に「存在とは何か」「正義とは何か」という根源的な問いかけが物語全体を貫いており、読み応え抜群。

謎めいた"O"の印や消失現象など、ミステリー要素も巧妙に織り込まれ、最後まで緊張感を保って読めるのも魅力。
重いテーマを扱いながらも、キャラクターの心情描写が繊細で引き込まれる。

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