【貧血なら鉄摂れ】という無知で極度安直な言葉不足
加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】
血。の誤認
表題に関しまして、「『鉄』の必要性を謳うこと」は、決して誤りではありませんが、その論の
まず、
なぜなら、血液の構成要素は、あまりに多種多様多数のタンパク質を内包しているのです。
血液は、
血漿にはアルブミン、グロブリン、血液凝固因子などのタンパク質。
赤血球には呼吸色素ヘモグロビンというタンパク質(ヘム『鉄』はここにきます)。
白血球≒免疫細胞である、マクロファージやNK細胞T細胞やB細胞の主原料はタンパク質。B細胞が作る抗体もタンパク質。
では、ただタンパク質っぽいものを
タンパク質にも様々にありますので、場合に応じて意味ある形にする必要があります。
そこで、ビタミンB群。
大前提として、タンパク質の吸収にはビタミンB群の一種、ビタミンB6が必要です。
とりわけ赤血球(それが持つ呼吸色素ヘモグロビンに鉄が含まれていますね)の生成・成熟には、ビタミンB12、
ここで一時、視点をマクロに俯瞰すると、そもそもビタミンB群は『代謝のビタミン』と呼ばれるほど代謝において極めて重要であり、それらが不足なく全て揃うことで代謝——エネルギーやその他不可欠物質の分解合成サイクル——が高まります。つまり、血液
比喩的にまとめると、タンパク質群が材木や鉄骨なら、ビタミン群が作業員や生産施設とでも言えましょうか。
また、血液の材料的な話で言えば、亜鉛も極めて重要です。
人
八割が、赤血球の中に、
二割が、血清——血漿からフィブリノゲン(止血タンパク質フィブリンの前駆物質)を取り除いたもの——の中に、
残りが、その他血中の有形成分——白血球や血小板の中に、そして全身に、
と言われています。
なら、血液は『タンパク質&亜鉛ジュース』とも言えそうな気がしてきますよね。
話はちょいと逸れますが、亜鉛は免疫の根源ですので、何かと免疫機能を壊
ここで光学顕微鏡の倍率を上げて、血液の中の赤血球……電子顕微鏡やX線
ここまでは、血液を、『誰』が、『何』を使って作るのか、という話(『なぜ』は言わずもがな、生きるため、自明ですね。『いつ』も生きる限りはほとんど常に、でしょう)。
となると、『どこで』と『どのように』は?
現代西洋医学においてはしばしば、そしてあたかも、造血≒赤血球産生は赤色骨髄(頭蓋骨、胸骨、肋骨、椎骨などの
ですが、そんなはずはないでしょう。骨はあんなにガチガチで閉鎖的かつ非流動的です。また髄は
血液は、赤血球は小腸内でも産生されます(ここでは控えめにそのように表現しておきます)。
小腸は
小腸に届いたドロドロの食物を、
取り込んだタンパク質や亜鉛や鉄を利用、ビタミン加勢を受けつつ、赤血球を作ります。赤血球が幹細胞(とあるノーブルな山の中を筆頭に、幹細胞ビジネスには詐欺的なものがありますね)的に働き、その他の細胞、組織、器官へと分化します。
腸内で必須
🩸🩸🩸
鉄という部分的材料だけがあっても、體は『ただの
つまりは血液の問題には、包括的なアプローチが必須であり、「これこれだけやっとけばOK」はありえません。
広く深く調べて、知って、実践して、実感して、学ばねば、根本的健康上問題の解決は望めません。
人體は、一本草ではありません。森です。
森羅万象すなわち宇宙(SF的宇宙空間ではなく、『この世』的な意味合い)です。
小手先の知では、宇宙を相手にはできません。
ところで、何も私は、ここに示したことが全てである、などとは思っていません。他にも『造血』に必要な要素はあると思います。なので補足ももちろんお待ちしております。また、誤りや捉え違いがあるならば
【貧血なら鉄摂れ】という無知で極度安直な言葉不足 加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】 @sousakukagakura
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