夏物語 -祭-

錦戸琴音

夏物語 -祭-

日よ来たり 浴衣の袖も のりを剥ぎ

 揺れて参らん とうかさんの灯


彩りの 風の宝鈴 帯となす

 正寿の楽は 硝子と透けて


仕込まれて 踊る阿呆は 阿波の子ら

 見るは阿呆よ ささ一緒におこし


揃い踏み 三基廻しに 熱まいて

 海渡る声ぞ 玉の浦の風


祭り舞う 水天宮の 楽流れ

 堀も舞台の からくりと見え


ひうと鳴り 宵に弾ける 鞆の花

 津にも映ゆるを 見るや弁天


豊穣を 祈る田楽 よみがえり

 神火かみび給いて 加賀の湯に舞い


壬生の田を 花牛掻いて 打つ太鼓

  乙女の唄は 苗葉にそよぐ


七飾り 願い橋だて 天河あまかわ

 華ぐ欄干 一夜の逢瀬に


蛍の地 守人集う 祭場まつりば

 過ぎてあらわる 夢幻の光



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夏物語 -祭- 錦戸琴音 @windbell383

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