この物語は、思春期の揺れる心や人との距離感を、静かな言葉で丁寧に描いていて、とても共感しながら読むことができました。
主人公・紗月が抱える家族や友人、恋愛との複雑な距離の取り方、そして「自分は誰なのか」と模索しながら一歩ずつ成長していく姿が、とてもリアルに伝わってきます。明るくて頼もしい親友・瑛美里や、まっすぐで少し不器用な兄・晴月との関係も、温かさと切なさが同居していて、どこか懐かしい気持ちになります。友情も恋愛も家族も、すべてがまっすぐにはいかないからこそ、紗月が涙を流し、悩みながらも前を向いていこうとする姿に勇気づけられる作品です。
家族や恋愛のことでモヤモヤしたことがある人には、この作品はきっと響くはず。静かだけど、心に残る青春ストーリーを読みたい人に、ぜひおすすめしたいです。
あらすじ欄にて、第三章までの内容がわかりやすくまとまっておりますので、割愛します。
作中の年代は、昭和の終わりから平成初期。
ガラケーと固定&公衆電話が真っ盛りです。
人から人への伝言とか⋯⋯良いですよね(←)
とにかく作者様の、丁寧で繊細な青春時代の描写に魅せられました。中高と跨ぐキャラ視点別のストーリーが秀悦です。
義務教育と、その他の危うい環境に立たさせる子どもの、学校・家庭・地域──3つのストレスが複雑に絡みあっています。
甘いの一言でつけられない、ここだけにある尊い恋愛劇です。
終始、目が離せない。
そんな展開と文体で、読む手が止まりません。
誰しもある、もしくは憧れた黄金時代。
その光を、取りこぼさず共に歩んでくださるような文体に、安心して身を任せながら読了できました。
WEB小説でスマホで拝読しているのに、デジタルデトックスできるような余韻に浸れたのははじめてです。
是非、ご一読を❀
完結を待ってから、と思ったけれど、レビューを書かせてください。
このお話はとにかく懐かしくて、
過去の情景がわたしの前にいくつもいくつも立ち上がります。
電話をしたなあとか、そうそう、土曜日学校半日だった! とか
テレフォンカードもあったなあ、とか。
そういう中で、恋をしていた。
そして、それ以上に思うのは、丁寧な心理描写です。
ゆるやかに気持ちが変化していく様が、巧みに描かれています。
じわじわ沁みていく感じ。
こういうのは、「懐かしい!」世代でなくても、心に響くと思います。
だって、恋心って、実のところ、百人一首にうたわれた歌の頃から変わらないと思うのです。