『せんじょうの天使』
かごのぼっち
せんじょうの天使
斬りつける雨に裂かれて皮膚ただれ 流れる
澱に沈み底に溜まった汚泥に染まる 重む体に降り立つ天使
翼もないヘイローもない服もない カラシニコフと煙草が
吸い殻を胸に押し当てジジと鳴る 苦痛に歪む瞳を嗤う
壁に背を張り付けられて至近距離 喉もと伝う血と汗と唾
愛撫するトカレフ喉に捩じ込まれ 引きずり出して噛みしだく舌
血みどろに躰を濡らし声漏らし 淫らに乱す天使の
G線上主旋律が崩壊し 天使の声が別れを告げる
抱きしめてフワリと羽が舞い乱れ 朱く染まった羽毛に独り
トカレフとカラシニコフと煙草だけ 天使の羽に
『せんじょうの天使』 かごのぼっち @dark-unknown
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます