10!個の餃子

北 流亡

10!

 3628800個の餃子が積みあがっていた。

 開いた口が塞がらない。

 蛭間のバカが「餃子10!個」と注文したせいだ。


「どうすんだこれ……」

「どうすんだって、餃子は食うだろ?」


 蛭間は事も無げに言う。僕は、頭の頭痛が痛くなる。


「さてここで問題です」


 店員だ。餃子の陰からひょこっと姿を現した。


「この3628800個の餃子の中に、ひとつだけチーズ入り餃子があります。それを食べる確率は?」


 僕は暗算する。0.000027%。


「100%だ」


 蛭間は断言した。


「俺が全部食うからな」


 そして2016個/sのスピードで餃子を食べ始めた。

 昼休み終了まで残り34分54秒。餃子は残り3616704個。とか言ってるうちに3612672個。

 僕も餃子をかじる。濃厚な味がして僕ははっとする。普通の餃子とは一味違う。餃子+xだ。口まで、チーズが伸びていた。

 店員はこちらを見て微笑んだ。僕も笑顔になった。

 今日はとても良い日になりそうな気がした。

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10!個の餃子 北 流亡 @gauge71almi

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