はーれむ革命

ゆらゆられたす

ぷろろーぐ


あおい、やっぱり貴方女の子になりなさい。その方がいいわ、そうするべきよ」


「...はぁ?なるわけないでしょ、頭沸いてるの?」


「ええ、沸いてるわよ?沸いてなきゃこんなことは言わないわ。沸騰するくらいに熱い百合の泉に私はつかりたい。そのためには、貴方は女の子でなくちゃいけないのよ。」


そう言う私の顔をじっと見つめた後、深くため息をついた葵は、これ以上付き合っていられないといった風に後ろの席に座る美咲みさきちゃんと課題について話をし始めた。


「あ、葵くん?百合奈ゆりなちゃんずっとこっちみてるけどいいの?」


「大丈夫だよ美咲。あいつがたとえ仲間になりたそうに見ていたとしても、戯言を吐いているうちは無視でいい。うちの馬車はもうパンパンなんだ、面倒を見切れない生き物は買ったらだめだろう?」


む、それは聞き捨てならない、誰が寂しそうに去ってなんかやるものですか。

そう、私はキラーマシン。ならばやることは一つ。


「ウィーン、ガシャン。ウィーン、シャキーン。ふははは、仲間にしてもらえなかった魔物がどんな扱いを受けるか考えもしなかっただろう?勇者よ。我らは決死の覚悟で魔王軍に背いたのだ、仲間になれなかった以上待つのは死のみ。我らの怨嗟を受けるがいい!その一物、切り落としてくれようぞっ!」


「ちょっ、逆恨みかよっ」


「ほっ、ふっ、はぁっ。ちっ、ちょこまかと...」


長めの定規を手に笑顔で葵を追い掛け回す。身体能力では勝てないのはわかっているから、狙うなら足、定規の長さを使い避けなければならない攻撃を繰り返す。机を利用し、退路を狭め誘導し、角に追い詰める。

まぁ、それでも葵は崩せないだろうから、使うのは伏兵。


「そこっ、さくらっ」


「...あいよぉ、百合奈」


葵の手が、ぬるっと横から割り込んできたスラっと長い美しい手に捕まれる。これを、ただ手を掴んだだけと侮るべからず。完全に意識外からの割り込みだったそれは、数舜葵の思考を停止させるには十分であり、その間があれば、私の定規は届く。


踏み込みと同時に両の手を突き出す。勢いの増した定規の先端は、それはもう見事に葵のみぞおちに吸い込まれ、私は確かな達成感を得るのでした。


「ぐっふぉお!!!ぐぇ、かはっ。ぉぉおおおぉぉぉ」


腹を抑え、悶絶する勇者を視界に収めた当機はとっても満足、気分がいいです。


「ふふふ、どうだ勇者よ。それが、今まで寂しそうに去っていった魔物たちの恨みだ」


「ぅぅおぉ...おのれ魔王の手先め、覚えてろよぉ」


恨めしそうに私を見上げる葵は視界から放り出し、先ほどからこちらをちらちらと伺っていた桜を視界いっぱいに収める。


「うおっ、いきなり抱き着かないでよ百合奈。本に折り目が付いたらどうするの?」


持っていた本にしおりを挟みながら、桜は抱擁に応じてくれる。

んー!なんていい子なのでしょう。まさに天使、エンジェル、ゴッデス!

それに、抱き心地も最高!ふわふわで、いい匂いするし、何より安心する。やっぱり女の子しか勝たん(迫真)。やっぱり、特筆すべきは胸です。こんなにふわふわで柔らかいものを付けていてくれてありがとうございます。それに、形もエロティックなんて、まさに生命の神秘ですわ。ふつくしい!それに、尻です尻。張りのあるいいお尻。一度枕にしたことがありますけど、まぁなんて素晴らしいものだったでしょうか。程よい弾力に、こちらの形に合わせて変形する伸縮性もあるとか最高過ぎません?最高級枕でも勝てませんよあれは。他にも太もも、ふくらはぎ、二の腕、肘、膝、おなか、お臍、挙げれば女体の神秘なんて10万文字でも語り切れません!でも何といってもやっぱり顔ですよ顔!ちょっとたれ目気味な目が、こちらを向いたときにさらに垂れるところなんて最高以外の言葉では表せません。いや、最高という言葉すら生ぬるい、もはや神、神話級の何かですよあれは。

うへへ、思い出しただけでよだれが...っといけません。

今は考え事よりもこの感触を堪能することに脳のリソースを使いましょう。


「すぅっっっっっ..............、はぁぁぁぁ」


桜の名に恥じぬ春の訪れを感じさせる匂いが、私の鼻を通して脳まで突き抜け、各細胞ひとつづつにいきわたるのを感じます。最っ高です。これは万病に効きます。異論は認めません。


「百合奈ぁ?ちょっとくすぐったいよぉ」


「まだ駄目よ。もう少し堪能させて頂戴」


「もぅ、しかたないなぁ。じゃあ、わたしも百合奈のにおい嗅ぐぅ」


そうしてお互いの成分を摂取し合うのが私と桜の日課だ。

そうこうしているとバタンと、いつもより強めの勢いでドアが開かれる。


「葵せんぱーい!愛しの花梨かりんが来ましたよー」


そうして、教室内へ入ってきたのは私たちより一つ下の高校一年生、花梨だった。

彼女は明るい、とにかく明るい。時に鬱陶しくもなるが、その明るさがないと寂しくもなるだろう。


「あれっ、葵先輩どうしたんですか?ぽんぽん痛いんです?」


よほどイイ所に入っていたらしく、未だに腹を抑えている葵に少し心配そうに声をかける花梨。花梨と美咲に抱えられ、起き上がる葵に少し睨まれた気もするが、それは気にしない。私はまだサクラニウムを摂取しきっていないのだ。


そうして十数分が経ち、今日も掃除当番に捕まっていたらしい、私たちの研究会最後の一人が少し居心地悪そうに入ってくる。


「はぁ、また私が最後なわけ?」


入ってきた主、リィンはつかつかと歩き、葵の前の席に着席する。


「よし、リィンも来たことだし本日の研究活動を始めるわよ。本日の議題は「ハーレムは百合に含まれるのか否か」についてよ」


それを皮切りに、部長である私が号令をかける。そう、部長である私が。

こうして、私立揺籃ようらん学院高等部オカルト研究会の活動はいつも通りに始まったのであった。

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