第3話 祭り。

寒い…… 此処は何処だ?

俺は水の中に入れられていた。

いや、俺だけじゃない仲間もだ。


昨日までいた場所から無理やり此処へ連れてこられた。仲間と一緒に、今は冷たい氷の水の中だ。


「いたい、いたい、いたいよ~~ 」


何処かで声が聞こえる。

向かい側に小さな赤い娘が、棒に突き刺されている。

隣には黄色い俺達に似た者が。

衣服を抜かれ、裸で棒を突き刺されている。


「いや、やめて!! 熱い、あついよ~~ 」

あの娘が叫んでいる。

何が透明なものにつけられ、声が聞こえなくなった。


透明なものが体全体を覆っている。あれでは息ができないだろう、窒息させる気か?


ああ、隣の黄色き娘は茶色いものに体半分付けられあの娘と同じく飾られている。


なんて恐ろしいんだ。


「あつい、あつい、あついよ~~ パパ、ママ~~ 」


あちらでは、小さい子達が焼かれている。温かい衣を奪われ、剥き出しになって。黒いものを付けられ、焼き殺されている。


「「「暗いよ、暗いよ、助けて!! 」」」

大勢の声が聞こえる。


何だ、あの大きな丸いものは? あの中に小さな白い者達を閉じ込めて何をするつもりだ!!


パアァァァン!!


大きな音の後に、閉じ込められた白い者達が出てくる。白い体が膨張して、もう息をしていない……


「「「熱いよ、熱いよ、助けて!! 」」」

先程焼かれていた黄色い子達の仲間が、熱い部屋で熱しられている。体が弾け、内臓が飛び出して亡くなった。


それを貪り食う巨人。


「や、やめろ!!助けてくれ!! 」

気づけば隣にいた俺の仲間が巨人に捕まって、


バリ、ボリ、バリボリ!!

「痛い、痛い、助けてくれ!! 」


ボリ、ボリボリ……


折られ、砕かれ、生きたまま食べられている。


『おじさん、私にも一本ちょうだい。』

『へい、まいど!! 』


やめろ、やめてくれ!!


バリ、ボリッ、ボリボリ……

痛い、痛い、痛い!!


『ん~~、このきゅうり、よく冷えてる~~ 』




【完】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

食卓。 ❄️冬は つとめて @neco2an

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ