ネーブルグリーン

 西の果てには極楽があると言ったが。


 果てはいいからまずは食べ物を、と天に向かって願いながらもう丸一日は何も口にできていない体を進める二人の姿が見える。空には白く伸びた小さな雲が注意深く見守るようにぽつりと漂っている。


 被っていた帽子を脱いで頭にこもった熱を逃がすようにしているのはスナオカの方だ。彼女のくるんとした栗色の髪は湿気でぺしゃんこになって張り付いている。スナワダの方はというと紺碧の髪を揺らせて涼しげな顔をしている。もしかしたら彼女の方が地面から高い位置に顔があるからかもしれない。あるいはすでに限界を迎え体が放熱を諦めてしまったのかも。


「どうする?」


 スナオカが小さく呟いたので、スナワダが少しかがんで耳を傾けた。


「このまま愚直にまっすぐ行くと、山を登らなきゃならなくなる」


 スナオカが膝に手を当て俯きながら指をさす。目の前に砂色の滑らかな壁が広がり二人を待ち受けていた。スナワダはそうだね、とだけ口に出して答えを出すことをためらうかのように沈黙した。現在状況の処理に時間が掛かっているのは空腹と暑さのせいだろう。


「一休みしてからでもいいけど」


 スナオカは引いていたそりを叩く。坂を上るとなると二人してこいつを持ち上げなくてはならない。この際、荷物はもうごみだけだから先に二人だけで上ってしまうのもいいかもしれない、と提案した。先が見えたら頑張ろうという気が起きるはずだと信じて。


「もし先も無かったら?」


 スナワダが訊いた。先が無くても行くしかないのだろう、ということは自分でもわかっているつもりで言った。


「下り坂くらいはあるでしょう。それを楽しみに歩きましょう」


 喜びの前借りだ、とスナワダは背徳感を覚えながら了承した。


 ざくざく、と棒のようになった足を砂山に突き刺し歩を進める。一つ動くたびに息が切れた。手持ち式の屋根は畳んで杖代わりにしている。


 どうして砂が積もるのに偏りが生じるのだろう、とスナワダは不思議に思っていた。地理的な問題? 風の気まぐれ? 地面に何か別の物が埋まっているとか? 考えがまとまらないのはこのハードワークのせいだろう。そろそろ、この砂だらけの土地にはうんざりさせられてしまう。


 スナオカは地形に順応してちゃっちゃと歩いている。夜を乗りこなした後の彼女はどこか力強く頼れるように見えた。ご飯も食べないでよく頑張っているとスナワダは本人ではないのに誇らしげに感じていた。


 山、と言うより坂は見た目の通りの長さだった。早く上ってきて、と一足先に頂上に着いたスナオカが潤った声で急かすので、スナワダはもう何度振るったか数えていない最後の力を振り絞り粘り歩く。


 そういえば空には雲が吉兆のように浮かんでいた。




 二人は疲れも忘れ、眼下、吸い寄せられるように見つけたものへと駆け下りていく。窪んだ土地にできた明らかに異質な空間。砂地に映ゆるは緑。これが自然にできたものなのか人工的な遺跡なのか二人には見分けがつかなかった。


「あそこが果てじゃない?」

「聞いていたのとは違うけど」

「何も無いわけじゃないもんね」


 ちょびちょびちょび、と生えている背の低い草は生き生きとした緑をしていて、それが一層この空間の中心である湖の水を美しくしていた。高みから望む水面は空の深々とした青緑を色濃く映す。


 そこはオアシスだった。


 らったった、と二人は回転機構のように山を下り、砂まみれになった足で青い草を踏みしめた。


「なんだかくすぐったいね」


 砂のパーティクルの上ばかりを歩いていた二人の足にとって、草の短く艶やかな繊維が折り重なる絨毯は新鮮な違和感を覚えさせるものだった。何度もふさふさと足踏みしてその感触を馴らした。


「これが植物です」


 スナワダが先生の声を地面に落とす。スナオカは、これ全部? と両手を広げて目を丸くした。


「そう。全部植物だし、一本一本も植物です」


 すごいね、すごいね、と頻りに声を出しながらスナオカは湖の方へ走っていった。どこにそんな元気があったのかは知らないが、確かにここに来ると疲れが癒えるような気がした。踏まれた後の青いにおいを体中に取り込んで、スナワダは後を追いかけた。


「こんなにたくさんの水!」


 スナオカは縁ぎりぎりでしゃがみ込んで湖底をも覗かんとする勢いだ。底にはいつも通りの砂が深い色をしてきらきらと静かに眠っていた。ひんやりとした風が上空へと漂ってくるような気配がした。


「そのままでんぐり返しで落ちないようにね」


 スナワダは隣に座ると水を掬って飲んでみせた。渇いた体に必要だった潤いが気持ちよく流れてくる。それを慌てて真似てスナオカも水を飲む。


「砂で磨かれている味がするね」


 水を磨くってどういうこと、とスナオカは尋ねるがそれには答えずにスナワダはもう一度水を飲み、そのまま草の上にのしりと座った。


「釣りはしないの?」

「水の中には何もいないって。それにこんなに大きな穴だし、引っかかるものも無いでしょ」


 ぼうっとしているスナワダを見てスナオカは尋ねた。彼女の釣りの基準はよくわからなかった。糸を垂らすだけならこんなに楽しそうな場所は無いのに、とスナオカは思った。


「しかしこんな所を隠しているなんて。砂漠が美しいわけだよ」

「砂漠って美しい?」


 そうだとも、と草を手でふかふかしながらスナワダが答える。なだらかな稜線、規則的に砂地に作られる風紋、踏みしめるたびに沈みこむパーティクル。偉大なランドスケープにスナワダが心を奪われていたのは確かだった。スナオカは美しさについては相変わらず朴念仁のようで、変わり映えのしないいつもの風景を思い浮かべ、そうなんだと相槌を打つしかしなかった。


 スナワダはにゅっと草を掴んでぴんと抜いて遊んでいる。そんなことして大丈夫なの? とスナオカは不安そうに訊く。何というか、取り返しのつかないことをしているのではないかという気がした。サンプルの採取だから、とにっと笑って返される。手から細い草がひらひらと落ちていく。


「でもきちんと保存しないと枯れるだろうね」

「植物も大変だね」

「私達もいつか枯れる日が来るのだろうか」

「水が無くなったら、かもね」


 スナオカはまるで機を窺っていたかのように水を一口、もう一口と飲んだ。もうこれでしばらくは枯れるまい、と自慢げにスナワダの方を見る。その眼差しに思わず吹き出して、咳き込んだ。




 水の力もあってか少しだけ草も良く伸びているような湖のほとりを二人は歩いていた。脛の辺りを撫でられる。


 湖はそれほど大きいわけではなく、暢気に喋っていたら一日かからずとも一周できそうなくらいだった。それでも向かい側に見つけた謎の建物に辿り着くまでには、もう少々の時間を要しそうだった。


 そんな二人に朗報をば、と赤黒い球体が湖面を漂ってきた。


「これは、クランベリー?」

「どうしてこんなところで浮いているのか」


 スナワダが拾い上げようとして驚く。そういえばクランベリーはしっかりずっしり重いのだ。おぅ、と声を漏らして抱えるようにして持ち上げてやっぱり不思議に思う。


「何で水に浮かんでたの?」


 球状の結晶に話しかけるようにした。驚きのままにもう一度湖に戻し沈めようとしたが、特殊な力学か何らかの神秘かが働いていた。クランベリーが水にぷかぷか浮くという事実は俄かには信じがたかった。


「中、割ってみる?」


 スナオカがいつも持ち歩いている槌を手に取り構えた。今回はスナワダも了承した。中身に大事な用事があるのだった。


 草地にぐりぐりと押さえつけてクランベリーを安置させる。ぱこーん、ぱこーん、と罅を入れて亀裂が走る。いつも通りの感触だ。中に特別な仕組みがあるわけではなさそうだ。不透明なマーブル模様から規則的で透明な岩肌が覗けば、もうすぐだ。


 二十回ほど叩けば中心の宝物にまで届いた。結晶に閉じ込められていたのは黒いしっとりとしたフルーツバー四本入りで、フルーツなしを謳うものだった。折らないように慎重に叩き続け、ついにはぱかっと開かれた。


 早速スナワダが取り出し、袋をバリバリと開けて頬張る。うん、と唸っている。


「素朴なバーだね。久しぶりの食事にはちょうどよい甘さ」


 そうかな、とスナオカは口をモゴモゴさせて言う。フルーツが入っていないのがちょっと肩透かしだったようだ。しかし、食べ物を手に入れたのは幸いだったと感じているようで、表情には嬉しさがにじみ出ている。何しろ一日以上ぶりの食事だった。


「クランベリーからは見つからないって」

「再帰的、だっけ?」

「そう。フルーツの名を冠するからには、その中からフルーツは現れないのだ」


 何かの格言のようにスナワダが唱える。それを聞いて、クランベリーじゃなくて別の名前なら良かったのにね、とスナオカは水分の奪われた口を動かした。


「見て、あっちの方」


 建物がある方をスナワダが指差すと真っ赤でつややかな球体がいくつも水にどんぶらこと浮いているのだった。


「群生地だ」

「しばらくは物資には困らなさそうだね」


 二人はほっと胸を撫で下ろし、残りのバーも食べきってしまった。今の二人にとっては物質的充足が何よりも嬉しかった。

 満たされた感覚で、また歩き始める。

 向こうに見えていた建物はどんどん大きくなり、白い外壁が意外と滑らかであることがわかった。入口には扉がなく、アーチ状の穴が待っていた。


「探検と行きましょうか。準備はいい?」


 ちょっと待って、とスナオカは外套を羽織り直す。新しい場所に立ち入る前の儀式のようなものだ。これをしないと、なんとなく落ち着かない。


 よし、と気合を入れ直してスナオカは前を向く。


「行こうか」




 そうっと入口から建物を覗いてみると、同じ幅の細長い板をいくつも並べた床の廊下が続いていて、ところどころまるで吹き溜まりができているように砂が積もっていた。長い間放置され打ち棄てられたのだろうと思わせるが、意外なことに壁には罅一つなく塗装のハゲやムラもなくぬらりとした鮮烈な印象を受けた。


「たくさん部屋がありそうだね」


 廊下にはいくつも扉があって、どれも半開きになっていた。それだけでスナワダはどことなくワクワクしていた。


「何かいたりしないかな」


 スナオカは声を震わせた。中が見えないが開かれている空間から今にも何かが飛び出してきそうだと思ったのだ。


「順番に見ていこうか」


 ぺたり、ぺたりと二人は慎重に歩を進める。


「何のための家なんだろうね」


 二人は手前にある部屋から調査していった。初めの部屋には出入り口の左手に小さく切り抜かれた空色の窓があり、湖を思わせるマットが床に敷かれていた。両脇にはそれぞれ色も材質も異なるひとりがけの椅子が向かい合うように置いてあり、扉の横には大きな黒色のタンスがあった。広さは二人で寝っ転がったり、カード遊びをするには十分で、棚などを置いたら手狭になるくらいだ。


「何か書いてある」


 スナワダがマットの手前側に刺繍されている文字を発見した。読めそう? とスナオカも見にやってくる。


「ここで戦士を溺れさせないでください、だって。どういう意味だろ」

「戦いがあったのかな」

「何かのメッセージには違いないだろうね」


 二人はここに戦士の部屋と名前を付け、次の部屋へと向かう。


 出入口からちらっと見えたオブジェにスナワダは驚嘆し、わっと声を出しそうになってとどまった。スナオカには静かに歩くよう促した。


「何かあったの」


 半開きになった扉から部屋の中を慎重に覗くと、そこにはスナワダほどの高さまで積み上がり折り重なった定規、分度器、曲尺が異常増殖したみたいに不安定に集合していた。床には集まりそこなった弓が不機嫌そうに曲がって落ちていた。ぎりぎりのハーモニーで立つそのオブジェの奥には開放された扉があるが、どう考えても通り抜けられそうになかった。部屋の中央には我関せずと白い陶器製のランプか水瓶かがぼうっと孤独に明るく立っていた。


「何とも不思議なバランスだね」

「誰が何のためにここまで積み上げたんだろ」


 小声で話しているが、ちょっとの振動で倒れてしまいそうだと思わせるくらい危うかった。もっと近くで見てみたかったが、部屋の中に入ることはせずに次に進む。


 今度の部屋は学校みたいだ、とスナワダが手招きしている。


「へえ、学校ってこういうところなんだ」


 スナオカが初めて目にする学校。そこには一人用の机と椅子があり、椅子にはいつかの喜びの中に見たトルソーが腰掛けていた。顔には落書きの目がついていた。体を捻っていてまるでこちらを見てくるかのようだ。部屋の奥には黒板があり、スナワダのノートに見られるような読めない文字がいろいろと書かれていた。


「ここでは初等幾何の授業がされていたのかな。でも、なんでトルソー相手に」

「それが勉強していたんじゃない?」

「これが? 腕も無いのに文字なんて書けまい」


 それもそうか、と納得してスナオカが続ける。


「何が書いてあるか読めるんだ」

「うん。空間の認識方法についての人の癖みたいなのを学んでいるっぽいね」

「勉強したことある?」

「大昔にね。細かいところはもう忘れちゃってるかもな」


 大昔のことでも覚えていられるなんてすごいね、とスナオカは感心した。スナワダはこれは誇張法といって比喩の仲間でね、と照れるのを隠して大真面目な顔で言う。


「じゃあ実際いつからが昔で、いつからが大昔なんだろう」

「この建物は大昔にできたんじゃないかな。文字が古いし」


 廊下は比較的手入れが行き届いていて新しさをも感じさせるが、部屋の中は淀んでいて年季が入っているようだった。


 それは他の部屋も同じだった。


 天井が四角くくりぬかれ空がばっちり見えるような部屋でも仄暗く、乱雑に床に散らばる板材や扉よりも大きなトルソー、複雑に絡み合った窓の外からやってくる配線、そのどれもが古ぼけて見えた。ここには不在の文明が在った。


 ちょうど廊下の突き当り、前半戦最後の部屋に辿り着いた二人は不思議な気持ちになっていた。何か意思のようなものを感じながらも誰もいない部屋の数々を見てきた。まるで部屋に立ち入った者を試しているようだった。この部屋には何が、とゆっくりと半開きの扉を開けると、そこにはこちらをぎっと睨む者がいた。


 その者は視線がはるか遠方にまで到達するほどに深く思弁した様子で鎮座していて、顔には威厳深く陰が落ちていた。体は白い陶器製の細やかな集合物が溶融したかのように一個体になった鎧で覆われていて、とても重そうだった。鎧から生足が飛び出している。これは人のものに違いなかった。その者の意思で歩き出そうとすれば本当に歩いてきそうだった。立ち上がったらスナワダよりも大きいのは確実で、二人は慄いた。


「うわ、もしかして、この家の主でしたか」

「お、お邪魔しました」


 手にかけていた扉を静かに元の位置まで戻す。二人は自分の鼓動を聞いた。まるで本物の人のようだった。あるいは、ひょっとすると。


「あれは、人?」

「でも服に閉じ込められているよ」

「そうだよね。となると作り物? しかし何のために」


 二人は息か声かもわからないほど小さく会話した。とりあえずここを離れよう、とスナオカの提案で二人は戦士の部屋へと戻っていった。


 わずかに開いている扉から、その者は手のひらを天窓に向けて瞑想しているのが見えた。




 二人は戦士の部屋の窓から緑を眺めて気持ちを落ち着けていた。


「ここはいったい何のための場所なんだろう」

「間違いなく何かの意図は感じるね。でも私たちにはわからない」


 そんな不気味なところでも少し緊張が緩むと今までの疲れが押し寄せてきた。


「今日はここで休まない?」

「夜になってあれが動き出さないといいけど」

「ちょっと、怖いこと言わないでね」


 スナオカは半泣きになっていたが、スナワダの方も意外と真剣な表情をしていた。


「いや。リスクを負ってでもここで休んで大きく体力を回復したい」

「水場も近くにあるし、クランベリーだってたくさん見つかったし。何よりちゃんと壁と屋根がある」

「ひとまずここが果てということで」


 二人は椅子になど目もくれず、マットの上に寝転がった。草とは違うふわふわの感触が包み込む。ちょっと埃っぽいかもしれない。


「これからどうしようか」


 スナワダはここを第二の拠点にするのはどうかと考えていた。物資も豊富で水に困らなさそうで、周囲未探索。何かこの世界に関する謎の手掛かりが見つかるかもしれない。何日間も夜通し歩き続けていて目ぼしいものが見つけられなかった「疎」の空間を渡ったのだから、この辺りに広がるのは「密」のはずだと楽観的かつ直感的に予想している。文明は水のあるところから始まったとも習った。


「しばらくこの辺りを探索するのはどう?」

「うん。慣れない土地だから不安も大きいけど。とりあえず反対側の山を登ってみようと思うんだ」

「この部屋の反対側はどうする?」


 まだ何が出てくるかわからないから一旦無しで、いや、早めに何があるかを確認したほうがいいのかな、とスナオカは悩んでいた。どっちがいいと結論は出さずに、とりあえず決まっていることを口にした。


「部屋の探索は二人でしようね」


 あいわかった、とスナワダは返事をして目を閉じた。風が草を揺らす音が爽やかに耳に入ってくる。


 ここにいた「あれ」はやはり人なのだろうか? 今にも動き出しそうだったが、それにしては生きている気配が無さ過ぎた。呼吸、脈動、体温、そのすべてをどこかへ置いてきたかのような作り物。もしかしたらあれが極楽へと至った者なのかもしれない。何もいらなくなった者の終着点。だとすると害意は無いのか。いや、邪魔をしたら逆鱗に触れて未知の力で攻撃してくるだろうか。触らぬ先生に祟りなし、と言うからあの部屋だけは足を踏み入れるのを止めた方がよさそう。でも気になってしまう。


「あの部屋にいたのは何だったんだろう」


 スナワダが呟いたが答えは返ってこなかった。すぴすぴと寝息を立てている音を聞いた。そろそろ陽も落ちてくる頃だ。少し長い眠りになってしまうが、ずっと頑張ってきたしいいか、とあくびを一つして、二人はおやすみの挨拶もないまま静かに眠りに落ちた。

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ムーンホワイト 無上鳩つ @nouptigful

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