魔術研究所の職員になりましたけど周りの人たちの頭のネジが外れてます

最悪な贈り物@萌えを求めて勉強中

第1話 魔術研究所には変な人しか居ない

「こ、これは!!!!な、なんと!!!!」


「へ?」


巨大な教会のその中央。

首に掛かった宝石が緑色に光っているのを見て腰を抜かすお爺さん。


教会の席には大人の人たちが座っていて、私を指さしてはザワザワと騒いでいた。


「これ…なんなんですか?」

私はポカンと口を開けて聞いた。


「皆の衆!!!!この町から帝国魔術研究員が出たぞおおおおお!!!!!!!!」

お爺さんはハイになって、まるでバイブスぶち上げたように大声を出すと、教会の会場全体がまるでクラブのように騒ぎ始める。


「え?結局なんなのこれ…?」

困惑してばかりの私。

それを無視してバイブスぶち上げる神父っぽいジジイ。


「いやっほおおおおおおおう!!!!!!ワシの年金爆上がりじゃあああああああ!!!!!!!」


「だ、誰か…このカオスな状況を教えてください…」




時は16年前…


私は10歳だった。

普通の家に生まれて、兄の影響で小さい頃からラノベを読んでは友達を遊んでばかりだった小学5年生。


そしてある日、私は死んだ。


それは唐突だった。

学校で毎年行われている学校遠足。

全学年の生徒をいくつかのグループに分けて学年の壁を超え、遠足をしよう!というものだった。


私は六年生のお兄さんが班長をするグループになったのだが、その日、班長が急な風邪によって欠席。


私が班長を務めることとなった。


まあ、元から副班長だったからそんなに仕事の大変さは変わらなかったけれど、皆を導くということは1年生のお世話もしなければならなかった。


そして、お昼ごはんの時間、いつの間にか1年生の1人が居なくなっており、私は慌ててその1年生を探した。


しばらくして道路沿いに1年生を見つけると、私は手を握って「お昼ご飯食べよ?」と優しく声を掛けた。


だが、その1年生は空中を舞う蝶々を追いかけようと道路へ飛び出し、運悪くトラックが1年生へと向かって行った。


私は、1年生を後ろから突き飛ばし、変わりにそこで1度目の人生を終えた。


黒い闇の中、私は死んでしまった事を後悔した。

何故死んでしまったのだろうか。

もう、パパやママには会えないのだろうか…

そんなことを考えていたのだ。


でも、次の瞬間には鳴き声とともに薄っすらと瞳に光が入ってきた。


転生した…

私は瞬時に理解した。


いや、ただ単にラノベの見すぎでそれが瞬時に思いついただけなのかもしれないけど…


兎に角、私は転生した。

それもエルフに!!!!

私は新たな自分と共に異世界での生活を送ってやろう。


そう決意したのだ。


それから16年後…


どうやら、この世界では成人は16歳らしく、16歳になると、職…いわゆるジョブが選定されるらしい。


選定の仕方は、宝石による色の見分け。

まあ、ハリー・ポッターの組分け帽子のような感じだ。


そして私はどうやら「魔術研究員」というジョブに選ばれたらしいんだけど…





「こ、ここが帝国…」

私は市場が広がり、賑やかな町と、その奥にそびえ立つ大きなお城を見て呟く。


市場には怪しいものから目の引かれるものが沢山あり、どれも見ているだけで心が踊る。


例えば、無限の収容力のあるポケットだとか、イケメンを型どったゴーレムだとか、魔法の杖から普通の鉄の剣。


なにからなにまで売っている。


私は窓に写った自分を見る。

胸を派手に出した服装に短いスカート。

セクシーさを強調した服は第二のお母さんのお下がりだった。


にしても…お母さんも結構凄い服装だったんだなぁ…


「って、いけない!研究所に行くんだった!」





「貴方がユウリさんですね。どうぞお入りください。」

門の近くに居た門番に自分の名前を告げると、門番は直ぐに私をお城の中に入れた。


お城の中はまず大きな庭があり、その庭の中心に道が通っている。

私達はその道から少し外れた位置を通る。


砂利を踏みしめて一歩一歩、そびえ立つお城へと近付く。


「たしか、魔術研究所に配属されるんですよね?」

すると唐突に門番の人が私に質問した。


「はい!頑張って人類の為になるような魔術の研究をします!」

私はニッコリと笑顔を作って言うと、門番の人は「気をつけてくださいね…」となにか心配そうに言った。


「へ?」


「どうやら、ぶし…?という奇異な存在が魔術研究所には居ると聞いたことがあるので…」


「武士…ですか?」


「はい…詳細は私はあまりわかりませんが…とにかく恐ろしいんだとか…」

門番は、らしくもないように体を震わせる。


武士…

なぜ恐ろしいのだろうか…

もしかして幽霊の類…とかなのかな…?





「どうぞ。お入りください。」

私は門番の人に案内されるがまま、お城の中の豪華な部屋へと招かれる。


中は金色や赤色で彩られた大きな個室で、カーテン付きのベットに1枚の大きな窓。


窓の外には先程まで居た市場の風景が広がっており、多分4階位の高さがあった。


他にも、部屋には本がぎっしりと詰められている本棚や書斎などがあった。


「今日から、ここが貴方のお部屋です。外に出て少しした所に転移結晶があるので、そこからお風呂等に行けます。しばらくして、使いの物が来ますのでここで少しごゆっくりしてださいませ。」

門番さんはそれを言うと、最後に「それでは。」と付け足して部屋から出ていった。


豪華な部屋!!高級なベット!!綺麗なタンスに多分温泉!!!


これは人生勝ち組ルート!!!!


「やったー!!!!」

言いながらベットに飛び込む。

今までとは段違いに寝心地の良いベット。


「うへへ〜ふわふわ~」


と、私はその毛布を身にまとっていると、

「失礼します…ってうわああああああ!?」

と大声が上がった。


「え!?な、なになに!?」

私はベットから立ち上がって声のした方向…扉へと視線を向けると、そこには赤色の髪の毛をした少年が腰を地面に付けていた。


「え!?あ…!!み、見てませんからぁぁぁ!!!!」

少年は、床に散らばった木の板を使って顔を隠すと、地面を這いつくばって扉へと向かう。


「え…えっと…あなたは…?」

私は恐る恐る聞くと、少年は顔を隠したまま立ち上がる。


赤い髪の毛の少年。

黒いブーツに黒いズボンを履き、腰にはいくつかの試験管やカードゲームのカードがぶら下げてある。


上半身は赤く暑そうなセーターの上に白衣を着込んでいる。


「ぼ、僕は…雷樹って言います…えっと…魔術研究所の所長です…えっと…あなたがユウリさん…?」


「え?あ、はい…そうですけど…」


「あ!よかった…と、取り敢えずこの服に着替えてもらえませんか…?」


雷樹さんは顔を隠したまま、白衣と靴を出した。

「えっと…これは…?」


「こ、これが魔術研究所の正装なので…!!!ちょ、ちょっとその…な、なんというか…ぼ、僕には少し早すぎる服だと…あ、あんまり…しゅ、集中できなさそうなので…」


「え?」


自分の服を見る。

胸と太ももを大きく露出させたエルフの正装。


ああ…なるほどね…


「そ、それじゃ!!!!」


ライキさんはその言葉と服を残すと、直ぐ様廊下の方に出て行った。





翌日…

私は帝国魔術研究所の所長である雷樹さんから貰った白衣を来て、鏡の前に立つ。


桃色の長い髪に大きな胸を大胆に露出させている緑色の服。

機能は白衣をこの黒いブーツしか渡されていなかったので、昨日の服装にブーツを吐いて白衣を着込んだだけの格好になってしまったけど…


まあ、大丈夫でしょう!





「地図的にはこの辺だと思うんだけど…」

私はあの大きなお城を出て、庭をしばらく歩く。

地図によればこの辺に帝国魔術研究所があるはずなんだけど…


「あれなのかな…?」


しばらくすると、お花畑に囲まれた白い石で造られたお城とは少し形の違う建物が目に入る。


図書館にも見えなくはない建物。

その建物の前には1人の男性が立っていた。


「あ!雷樹さんだ!雷樹さーん!!」

私はレンガの道を歩きながら、ライキさんに向かって手を振りながら走る。


「え?あ、ユウリちゃああああああああん!?!?!??!?!?」

と、昨日のデジャヴなのかわからないけど、ライキさんは私を見るや否や飛び跳ねて腰を地面に付けた。


「え!?ど、どうしたんですか!?」

私はライキさんに駆け寄るが、昨日と同じようにライキさんは持っていたジョウロで顔を隠した。


「あ、あの…そ、その…お、おっぱ…」


「え?おっぱ…?」


「あの…!!!お、おっぱいが…凄い出ちゃって…ます…よ…」


「え?」


私は自分の胸を見る。

確かに、昨日と同じような格好だけどでも、おっぱいはそれほど出ていない…


ちょっと谷間が見える位だけど…

何処が問題なのだろう…


「え…?で、でも私…そんなに出てませんよ…エルフのお姉さんたちなら…紐だけの人とか居ましたし…」


「ライキー?ドウシタンデスカー?」

すると、研究所の中から金髪に青い瞳を持った女性がコーヒカップを持ちつつ現れた。

女性はエルフに劣らないくらいのダイナマイトボディーを持ち、その体型が浮き彫りになるようなTシャツと、細くて赤いジーパンを着込んでいる。

もちろん、ライキさんと同じ白衣も着用していた。


ライキさんは、まるでゾンビから逃げるように地面を這って、その女性の元へと移動する。


「マッ!!!マリー!!!!あ、あの人…!!!ふ、服がッ!!!!」


ライキさんは、その女の人の足首を掴むと涙目でそう呟く。


「ンンー?」


その女の人は私の方を見ると、「アー!ナルホドデース!」と言って私の方へと寄る。


「ハジメマーシテ!ワタシのネームはマリー・キュー!ヨロシクデース!」

マリーさんは、気さくな挨拶と眩しい笑顔で挨拶をすると、握手をしようとしているのか、手を差し出してきた。


私は、その手を握って

「えっと…私はユウリ・タキガワです!よろしくお願いします!」

と答える。


「オオー!アナタ!ジャパニーズピーポー!?ワタシジャパン大好きデース!!」


「え!?あ、あなたも異世界転生者?」


「モチロンデース!てか、ここの研究所のピーポ全員転生者デース!」


「え!?そ、そうなんですか!?」


「ま、マリー…!!!ふ、服のこと!!!!」

すると、マリーさんの背後に隠れていたライキさんがひょっこりと顔を出して耳打ちをする。


「アアー!ソウデシター!」

すると、マリーさんは腰からカードのようなものを1枚取り出し、「ハッ!」と力を込めて魔力をカードに注ぐ。


「え?何してるんですか…?」


すると、すぐにマリーさんの左手になにか、光のようなものが集まり、やがてそれは服へと変形した。


「スイマセーン!ライキ、実はチェリーボーイなので、女の子の過激なコスチュームには耐性が無いんデース…」


するとマリーさんは、私にその服を渡すと、

「ナノデ、出来るだけ露出を控えてもらいたいデース!」


「は、はぁ…」





私は体のラインしか見えなくなった服に着替えた後、マリーさんに研究室へと案内された。


木材で出来た茶色の壁に木製のタンスや机。

部屋の中央に置かれている机の上には、魔法陣の刻まれた紙切れや、スタンドに収められた試験管のようなものが置いてあった。


「こほん。改めまして、僕の名前はライキ。転生者でこの魔術研究所の所長を務めています。えっと…種族は人間で元々は日本人でした!よろしく」


「よ、よろしくお願いします!」

え?さっきの人?と私は疑いながらも私はその人と握手を交わす。


「ハロー!!ハジメマーシテ!転生者のマリーデース!元々はフロムアメリカデシター!漫画やアニメが大好きデース!」

その気さくで人懐っこそうな彼女は、ニコッと笑うと私にハグをして背中を叩く。


「えぇっと…帝国魔術研究所には総勢6人の研究者が居て、基本的に僕とマリー意外は研究室には来ないかな…他にも何人か居るんだけどね…」


「ミナサーンは基本的に自分達の研究に夢中ナノデース!」


「ちなみに帝国魔術研究所の役割は、王様に依頼された品を魔術を使って実現するっていう仕事だよ。」


「な、なるほど…」


「基本的に王様から頼まれた品はライキがやってくれるのデース!私達は特に何もしなくて良いのデース!」


「あはは…まぁ、一緒に働いてくれたら作業効率も倍なんだけど…」

少し不満そうな顔を浮かべた後、ライキさんは苦笑いをする。


「なるほど…あの…ちなみに1つ聞いても良いですか…?」


「良いよ!何でも聞いて!」


「あの…このTシャツは何ですか…?」

私は自分の着ている服を見下ろす。


白い異世界で作られたTシャツとは思えないほどの生地の良さ。


ドカドカと、「魔術研究員です。」と黒い墨で書かれている。


それも日本語。


個人的な意見では少し主張が強い気がする…


「それはね!僕特製のオリジナルTシャツ!どうかな?カッコいいと思うんだけど!!」


それはまるで少年のようにキラキラと瞳を輝かせる。


凄くダサいなんてこの状況では言えない…


「あっと…た、確かにいいデザインですね!」

ちなみに1ミリたりとも思っていない。


Tシャツにしては自己主張が激しすぎるのだ。


「オォ!ライキ!大変デース!魔晶石がアリマセーン!」

すると、今度はマリーさんが頭を抱えながら大声を上げる。


「魔晶石?」


「え?ほ、ほんと!?今週までに依頼されたゴーレム作り終えないとなのに!?」


マリーさんがコクリと頷く。


「仕方無い…ダンジョン行くか…」





薄暗い通路の中をライトのような物を持って進む。

全方向を石のレンガによって囲まれた通路。


壁には松明があるが、火から放たれる光が少し弱いのでライトで目の前を照らす。


「多分…もうちょっとで広くなると思うよ。」

一緒に着ている赤い髪のライキさんが後ろ…私の顔を見て告ぐ


「あ、はい!」


コトン…コトン…と足音が鳴り響き音が反響して鼓膜を震わせた。


「そういえば、そのライトはやはり魔術のライトなんですか?」


「ん?ああ。これは電気で動くライトだね。ちょっと前に作ってみたの。工業高校出身だからさ。」


「な、なるほど…」

だとすると、現代の技術と魔術を組み合わせた科学魔術が出来るわけだ…


「まぁ、僕は工業高校で色々学んだから、電子的な回路とかそういうのに関しては分かるから電子回路の要領で出来るけど…ユウリはまだあんまり分からないだろうから何でも聞いてね!」


「え?じゃあ1つ聞いても良いですか?」


「ん?何ー?」


「魔晶石って何ですか?」


「あれ?まだ言ってなかったっけ?」

と、顎を抑えて呟くライキさん。


私は縦に首を振ると、「そっか。じゃあ説明するね」と言った。




少しして、洞窟のような大きな空間に出た。

すると、その洞窟に光を放っている石が生えているのを見つける。


「いわゆる魔晶石ってのは人間や魔族や魔物に流れている魔力の結晶体なんだよ。」


「結晶体…?」


「あ!えっと…例えば水は液体だよね?そういうのが、固体になるのを結晶って言ったりするんだけど、魔力が結晶すると、魔晶石が出来るんだ。」


私は魔晶石と呼ばれる光る石を触る。

確かに魔力の流れを少し感じた。


「ちなみにこれって…何処に生えてるんですか?」


「えっとね…魔力濃度が50以上だと生えやすいかな。」


「魔力濃度…?」


「二酸化炭素濃度みたいに、1立方メートル内の気体に溶け込んでいる魔力の指数の事を言うんだ。この洞窟なら…」

ライキさんはポケットから体温計のような物を出した。

体温計のような物のボタンを押すとピピッと電子音が鳴る。


「大体ここだと79度だね。ちなみに96度以上になると即死だから気をつけてね。」


「え…わ、わかりました…」


「それじゃあ、どんどんと回収していこうか!」

ライキさんさ言うと、何処からともなくツルハシを出した。


周りにはキラキラと虹色に光る宝石が並んでおり、暗いダンジョンの中を薄く照らしていた。






「結構…!原始的…!なんですねっ…!」

私はツルハシを振り下ろし、魔晶石を砕く。


周りに破片が散り、まるで星の欠片が散らばったようになる。


「まぁね。異世界だから仕方ないよ。」

私は全力で振り下ろして10回ツルハシをぶつけた所でようやく砕けるのに、ライキさんはガラスをツルハシで壊すように1振りで砕けさせる。


これが男女の差…!!!


「そろそろ休む…?」


「いいえ…!!まだっ…!大丈夫です!!!」


ライキさんは「ははは…」と頬をポリポリと掻きながら笑うと続けて「じゃあ、あっちの方行ってくるね…!」

と、言って洞窟の奥の方へと進んでいった。





「ふ、ふぅ…」

私はツルハシを側に置いて一息つく。


流石に女子である私にしては個人的に頑張ったと思った。


「カゴいっぱいの魔晶石!なかなか大変だったなぁ〜」

と、ニッコリと笑いつつ額の汗を拭く。


地味に暑かったので、白衣どころか下着姿で夢中に掘っていたけど、もし今ライキさんが来たら、少し大変な事になってしまっていたかもしれない。


「うわぁぁぁ!?」


すると、先程ライキさんが向かった洞窟の奥から叫び声が聞こえた。


「え!?な、何!?」

私は慌てて声の聞こえた方向。

洞窟の奥に向かった。

幸い一本道しか無かったので迷うことなく進めた。


「ら、ライキさん!?」

言いつつ洞窟の奥へと踏み入る。

そこには大空間が広がっており、鍾乳石が天井から垂れている。


そしてそこにはルーペのようなものを手に持って灰色の魔晶石を眺めるライキさんの姿。


「ら、ライキさん…?」

「こ、これは凄いよ!!!」

私は恐る恐るライキさんに声を掛けると、大きな声で何やら魔晶石を絶賛しているらしい。


「え…?」

「あ!ユウリちゃん!!見てくれこれを!!!どうやら鍾乳石属性の魔晶石のようだ!!!これは凄いよ!!!僕は今までこの様な魔晶石を見たことが無かった!!!!発見はされていたかもだが研究所に持って帰ってどんな研究ができるか!!!ワクワクするよ…!!!!!」


ライキさんは魔晶石だけを見て、まるで子供が新しい玩具を目の前にして騒いでいるようで、とても微笑ましく思った。


「あの、ライキさん…?」


「これは凄いよ!!!ユウリちゃん!!!魔術式の中にこれを組み込んだら魔力の浄化も出来るかもしれない!!!!本来魔力というのは自然物の中にも存在しており、結構な数の不純物が混ざってるんだけど、これを使えばそれら全てを取り除く事が出来るかもしれない!!!!ああ…!!楽しみだなぁ!!!!」


それはまるでクリスマスイブにてサンタクロースからの玩具を待つ子供のようだ。

しかし。


「あの…ライキさん?こ、これって何ですか…?」

と半ば私が涙声で呟くと、「ん?」と言ってライキさんはようやく魔晶石から視線を外して後ろを振り向いた。


そこには10m程度の大きさの蜘蛛が居た。

紫色と黒色と赤色の皮膚を持ち、15の目玉を持つ大きな蜘蛛。


ライキさんは視線を魔晶石に戻す。

「いや〜!!!楽しみだなぁ〜!!!!」


「ライキさん!?こ、この蜘蛛どうするですか!?!?」


「あ〜なんか普通に倒しておいて〜」


「普通に倒すって何ですか!?戦闘経験も無いのに!?」


「まぁ、頑張って〜にしても、自然発生するのにはどんな条件が…?無属性の魔晶石にずっと炭酸カルシウムが掛かったから?それとも 魔晶石が生成される時に炭酸カルシウムが混ざったのかな!?」


と、とりあえず武器!!!

私は体を触る。


な、無い!!!!!

どうしよう!!!!村長から何も習ってないよ!!!!こ、こんなことなら魔法の1つや2つは習得すべきだったかも!!!!


すると、蜘蛛はその妖怪のような数多くある目を鋭く輝かせると、4本ある内の1本の足が赤く輝き始めた。


「ら、ライキさん!?」

「いや〜!やっぱりここのフォルムが…いやまてまて…ここのフォルムよりもここのフォルムが…」

「って!!!!魔晶石のフォルム気にしてる場合じゃないでしょう!!!!!」


蜘蛛はその大きな足を持ち上げ、真上へと上げる。

「ら、ライキさんんんんんんんんん!!!!!!!!」


そして、その赤く染まったヤバそうな蜘蛛の足は私に向かって振り下ろされると、私はダークソウルよろしくの緊急回避。


一回転をかましてその場から退避すると、蜘蛛の足の向かう先にはライキさんが…!!!

「ライキさん!!!!!!!!!」


ドオオオオオオオオオオン!!!!!!!!


とてつもない轟音が鳴り響き、私はあまりの煩さに目を瞑っていた。


恐る恐る目を開く。

そこには、潰されたライキさん…ではなく、少し体勢を変えてギリギリ足を回避したライキさんが居た。

「え?なにこれ…すご…」

と微妙な感想を述べるライキさん。


「まぁ、いいや…だああああああああああああああああああああああああああああああああ」ああああああああああああああ!?!!?!?!?!?!?!?!?

「うるさっ!?」


ライキさんはまるで何も無かったのかのように再び魔晶石に視線を戻すと、セリフが鍵括弧を飛び出す位の勢いで叫んだ。


洞窟がゆ揺れ、微弱ながら蜘蛛がライキさんから一歩下がる。


「ま、魔晶石がああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!


「ら、ライキさん!!!!せめてカギ括弧の終わりくらい付けてくださいよ!!!」


「」<なんやこいつ…怖…


ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!


「カギ括弧がライキさんを恐れているッ!?」


ライキさんの目の前の魔晶石。

それが今、壊された。

どうやら相当ショックだったのか、ライキさんは魔晶石だったもの(蜘蛛の1本の足)に向かって叫ぶ。


「だッ!!!!誰がこんな事をしたッ!!!!!ユウリィィィィ!!!!!!!!!」

「ひゃ、ひゃいっ!!!!!!!!!」

「お前…やりやがったな…?」

ライキさん!?!?


「わ、私じゃなくてそのおっきな蜘蛛が…」

いや、まぁ、私が攻撃を受け止めればそんな事は無かったかもだけど…


ライキさんは項垂れながら、蜘蛛を睨みつける。

蜘蛛は、ライキさんから3歩ほど離れた。


「おめぇ…まじ許さねぇ…殺す…絶対に殺してやる…!!!!!」


ライキさんは、腰にあるカードを1枚取り出すと、「魔術発動」と唱えて、カードに書かれた魔術を発動する。


魔術が発動するとカードは輝き始めやがて1本の刀がカードから出てきた。


鞘に収まる刀。

何故か少しその刀はバランスが悪そうに見える。


昔見た刀よりもなんというか…鍔が小さいような…?


そういえば、門番の人が言っていた気がする…

魔術研究所には武士が居ると。


静かに鞘から刀を抜く。

美しい刀身が現れ、その刀身はまるで煙の様な物が刃を染めている様な気さえした。


そして静かに鞘を地面に置き、刃をライキさんの頭の横に構える。


両手で握られた刀は、ピクリと動くこともなく静止していた。


この構え…何処かで見たような…


「お前は…この俺…黒武者雷樹の名に掛けて…殺す!!!!!!!」


頭の横に構えた刀を関節を伸ばして上げ、右足を大きく前に、左足を後ろに突いた。


「だああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


「煩っ!?」

ライキさんは洞窟全体が揺らぐようなそんな大声を発し更に蜘蛛が警戒したのか蜘蛛の足が全て赤くなる。


「あああああああああ!!!!!!うあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

刹那、ライキさんの声が一度止まった。

見ると刀は振り下ろされ、地面にめり込んでいる。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

ライキさんの間合いの外に居た蜘蛛はピタリと止まっている。


それはあっけなかった。

ライキさんが再び叫んだ時には蜘蛛は、紫色の煙を巻き上げると、砂のように形を崩して蜘蛛は消えたのだ。


黒武者…雷樹…

思い出した。

私の住んでいた地域にも同じ苗字があったことを。

そして、先程の剣技は防御を捨て、一撃に全てを掛ける技、示現流だということも。


「ったく…このクソ野郎が…!!!!」

ライキさんは呟いて刀を鞘に収めた。


「ら、ライキさん…?」

そして私は腰を低くしてライキさんに近付くと、ライキさんは笑顔を作って、「あ!ユウリちゃん!大丈夫だった!?」と問う。


先程まで大声で叫び、蜘蛛を真っ二つにした人物とは思えない変わり様。


「怪我はしてない!?変な毒とかに犯されたりしてないよね!?」

体のあらゆる所を触ってライキさんは怪我無いことを確認すると、「ふぅ…良かった…と呟く。」


「ライキさん…」

私はライキさんに寄りかかった。


私の、胸がライキさんに張り付く。


「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ユウリちゃん!?お、お、お、おっ、うっぱ、おっぱ、おっぱいが…!!!!」


「私…なんか変です…」


「うぇ!?」


「なんだか…ここが…」

私はおヘソから少し下を抑える。


「え?腰部…?」


「違います…そのなんだか子宮がうずうずしてて…」


「え?」


「あの…多分これ…恋…だと思うんです…」


「え?こ、恋…?」


「はい…」


「恋って…誰に…?」


「ライキさんに…」

寄りかかりながら、体の至る所をくっつける。


「ぼ、僕に…?」


「はい…だから…私と…その…私と…」


「(ゴクリ)」


「交尾…してくれませんか…?」


「ん?」


「いい…ですよね…?」

言って私はライキさんの上半身の服を破く。


「まっ、まって…あの…え?…ちょ、ちょっとまって…?」

ライキさんは洞窟の壁に背を付けた。


私は白衣のボタンを1つ1つ、外した。

ライキさんの顔が青くなる。


「あんな…あんな気迫があってカッコいいなら…言ってくださいよ…」


私はペロリと唇を舐めると、白衣を捨てTシャツを脱ぎ捨てた。


「まっ…まっ…て?」


「もう…女の子を雌させちゃって…イケナイ人ですね…」


天才とは、天から才能を授かった者。

常人とは何処か外れた思考を持つ者。

つまり、頭のネジが外れているヤツのこと。


それを世は天才と呼ぶ。


もし、ライキが溜まったストレスを一気に解放するヤバい奴。

だとするのならば彼女はどうだろうか?


彼女、滝川優里は10歳という幼さでエルフへと転生した。


10歳とは性に目覚める時。そんな中、性に寛容な種族。


エルフ×性に目覚めたばかりの子供=HENTAI!

そう。周りの環境が彼女をこのように変化させたのだ!!!!!



そして私は服を全て脱ぎ捨てた。


「あ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

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