黒猫と大和の小説家のなり方。

黒猫大和

黒猫大和という小説家について〜嘘みたいな、ホントの話〜

 昔々むかしむかしあるところに、それはそれは可愛かわいらしく、天使てんしのような少年がいました。

 少年は、そしてうたも天才的に上手いがそれを鼻にかけたりもせず、目の前で傷付きずついている誰かのためにかなしみ。

 こまっている人のために何かをしてあげたいと行動する、とても素晴すばらしい男のでした。


 ……ですが、何時いつからか少年は理不尽りふじんな理由で同級生からイジメを受けるようになります。理由は様々ありましたが、まあ大体だいたいは――


『いつもヘラヘラと笑っているその顔が気に入らない! 自分の方がすごいとでも思ってんのか!! ふざけんな!!! お前なんかんじまえ!!!!』

『〇〇くんが怒っているし、私も一緒にやろ! 私もあの子嫌いだし!!』

『……〇〇くんにイジメられたくないし、関わらないようにしよ。少し可哀想かわいそうだけど』

『アハハッ! どろだらけで面白いな!! 気持ち悪ッ!!! アハハハッ!!!!』

『……どっちもバカね、ああはなりたくないわ』

『〇〇がまた泣いた! キモいキモい!! アハハッ!!!!』


 ――耳障みみざわりな雑音ざつおんでとても不快ふかいでした。


 少年はそうした理不尽なイジメにあいながらも人をうらんだり、やり返したりはせず――いえ・・正確にはどう・・・・・・したらいいか・・・・・・分からず・・・・

 ただなみだながしてたすけをもとめていましたが、先生もふくめてだれも助けてくれませんでした。

 一部の先生方はイジメに気がついていたし、少年は相談そうだんしたりしましたが。先生方は笑いながら『仲良くしなきゃダメと』どくにもくすりにもならない言葉をくばかり――なんの役にも・・・・・・立ちません・・・・・


 そうして少年がただ涙を流してすわむようになってから大体半年がったころ、少年の心の中に――悪魔あくまがやってきました。

 悪魔は泣いてばかりの少年の中で怒鳴どなごえを上げました。


『おいッ! むし!! テメェ、なんでやり返さねぇッ!!! あんなヤツら――お前がその気にな・・・・・・・・れば殺せるだろ・・・・・・・!!!! なんでころさねぇ!!!!!』


『……ころすのはいや、しぬのはいたくてくるしいもん。ボクはそんなこと、したくない』


『――バカか、テメェはッ!! あのバカ共のせいで今テメェは苦しんでんだろうが!!! テメェだってやり返してェだろ!!!! いい子ちゃんぶってんじゃねぇッ!!!!』


『――それでもやなのッ!!! いたいことしたくない!!!!』


 悪魔はしばらく少年と言い合った後、ため息をきながられてやることにしました。

 前世ぜんせの殺し合いの記憶きおく継承けいしょうしているにもかかわらず、とてもやさしい少年のことを少し気に入ったからです。

 ……ですが少年をイジメているヤツらがゆるせなかったので、取りえず実行犯じっこうはんを半殺しにしたり、先生方の弱みをにぎっておどしたりして少年がイジメられないようにしました。


 少年は乱暴らんぼうな方法に少し落ち込んでいましたが、悪魔はそれ以上譲歩じょうほするつもりはなかったので『フンッ』と鼻をらしてから少年の中でねむりにつきました。

 そうして少年がイジメられるたびに対処たいしょし、少年がイジメられないようにしていましたが。

 時の流れは速いもので少年が小学六年生になり、少年は人のの中へ自然しぜんにははいれるようになりました。もう悪魔がおもてに出なくても大丈夫です。


 ――そう、悪魔がえて。少年がひとちする時がやってきました。

 悪魔はそのことがうれしくて、笑いながら運命うんめいを受け入れました。


『……泣き虫、テメェも薄々うすうす気がついてんだろうがな。俺はそろそろ寿命じゅみょうだ。

 もう俺がいなくても、テメェは――いや、〇〇は大丈夫だ。よく、がんばった、な』


『イヤだ! お兄ちゃん消えちゃダメ!! ボクとずっとずっと一緒にいてよ!!! ボク一人じゃ生きていけない!!!!』


『はははっ、最後くらいワガママいうなよ〇〇。分かってんだろ、元に戻るだけだって。

 俺は消えるんじゃない、お前の中にけるだけだ……これからも、ずっと一緒だ』


 悪魔は少年を食べるためにやってきたのに、結局けっきょくやさしい少年を食べられなかったおのれは悪魔失格しっかくだと、嘲笑あざわらいながら少年へ別れをげて消えようとしていましたが――


『そんなのイヤッ!! ボクは、ボクはッ!!! お兄ちゃんのことをあいしていますッ!!!!

 だから、だから消えないでよ! お兄ちゃん!! お兄ちゃんがいないと、ボク!!! ――生きていけない!!!!』


『――――ハァッ!??? 何言ってんだテメェ!!!!!』


 ――あまりにもおかしい単語たんごが耳に入ってきたため、意識いしきを取り戻しました。

 そしてすぐに『俺もお前もどっちも男だぞ!?? バカかテメェッ!!!!』と言い返しましたが、少年が『――うるさいうるさい! お兄ちゃんのおよめさんになりたいくらい大好きになっちゃったのッ!! お兄ちゃんがイケメンすぎるのが悪いの!!! バーカバーカ!!!! お兄ちゃんのバーカッ!!!!!』とさけんだことであたまかかえて固まりました。

 それからしばらくして大きく息を吐いてから『〇〇は本当にバカだな、大バカだ。そして――そんなお前のことをいとおしいと思った俺が一番のバカだな』と言いながら悪魔は頭をかいてからゆがんだ笑みを浮べました。


『――お前のために生きたいと思っちまったじゃねぇかよ、この大バカ野郎やろうがッ!!! イチかバチかのバクチをつ!!!! 付き合うか、バカ野郎!!!!!』


『うん! 付き合う!! お兄ちゃんと一緒にいたい!!!』


即答そくとうかよ、このバカ野郎ッ!! 内容ないようくらい聞けや、このバカが!!! そんなところも大好きだよ!!!! バカ野郎!!!!!』


『ボクもお兄ちゃんが大好き!!! 愛してる!!!! 結婚して!!!!!』


『うるせぇわ!!! バーカ!!!!』


 そう言いながら二人はざり合い、少年に悪魔が寄生するような形で二重にじゅう人格じんかくの人間として生きていくことになりました。

 そして色々とあって2人で1人の小説家として、今現在小説を書いています。


 ……色々の部分まで書くと長くなりすぎますので、今日はここらで閉幕へいまくとさせていただきたいと思います。

 つまらない話にお付き合いいただきありがとうございました。これからよろしくお願いします。








 https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16818622174519741454


 https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16818622174520593157


 大和(やまと)、かつての悪魔。

 二人で一人の小説家、黒猫大和(こくびょうやまな)の片割れ。黒猫第一主義者のキラーマシン。

 子供の頃は黒猫(くろねこ)を傷付けようとするヤツを問答もんどう無用むようで半殺しにしていたが大きくなるにつれ、法律ほうりつという面倒めんどうなものを守らなければならなくなったので少しやり方を変えた。黒猫を傷付けるやつは全員死ねと思っている。

 人間の感情かんじょうというものがあまりよく分からないが、小中学校で色々な実験をし。感情を理解しないまま人をあやつれるようになった。


 実験の過程かていで小動物や虫の命をうばってみたが、何も感じなかった。 

 万が一、黒猫が消えて大和が残った場合。おそらく世界をほろぼす魔王になる。


 https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16818622174519508221


 https://kakuyomu.jp/users/kokubyouyamana/news/16818622174519905984


 黒猫(くろねこ)、かつての少年。

  二人で一人の小説家、黒猫大和(こくびょうやまな)の片割れ。ボクっ娘でお兄ちゃん子。

 大和(やまと)のことをお兄ちゃんと呼んでいて結婚したいくらい大好きで、男同士なのになんでかメス堕ちしています──どうしてこうなったorz


 字や絵、そして歌が天才的に上手かったが大和と一つになったことで全部うしなった。

 それでも大和が一緒にいてくれるだけで幸せらしい。結婚はしないが黒猫の泣き顔は見たくないので、大和は限界げんかい突破とっぱしてがんばってる。

 ……正直、メッチャつらい。

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黒猫と大和の小説家のなり方。 黒猫大和 @kokubyouyamana

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