第10話 道の駅
ハンドルに巻いてある時計は8時過ぎを指す。
周りは荒れた畑と家、店っぽいのもある。
「半田舎の道路はなんかいーなー」
のどかだしね
少し急なカーブを曲がると、少し先に家では無く、かと言ってコンビニとか喫茶店とも言えない形の建物が見える。
「なんだあれ?」
直進し、建物の横に停車させる。
「道の駅…か?」
道の駅とか懐かしいな、昔はぬいぐるみとかお菓子とか買って貰ったな〜
「よし、ちょっと見てみよっかな」
ハンドルを切って駐車場の駐車線や進路なんて無視して建物の前に停める。
「よっ…と」
バイクから降りて建物を見上げる。
「すごい…ガラス張り…」
展望台の様な、上にのびるガラスと鉄骨の建造物があり、なんかとてもすごい。
「道の駅って特徴的なの多いよな」
記憶の中の道の駅たちを思い出しながら入り口に向かう。
「あ、自動ドアかぁ…」
変電所はおろか、発電所すらも稼働していないおかげで自動ドアはみんな手動ドアだというね…
「めんどくさいなー、あーめんどくさいなー」
私だって力が男並みにあるわけじゃ無いし、まあまあ疲れるんだよなぁ…
「バール使おっと」
一度バイクに戻り、車体に取り付けられているバールを取り戻る。
「…よっ」
自動ドアの間にバールを差し込み、テコの力を使ってこじ開け、すき間が出来たら手を入れ自力で開ける。
「んっ…よいしょっ…」
なかなか動きが重いんだよな…
まったく…モーターと電気様様だな。
「ふう…開いた…ってことで、さっそく探索と洒落込むか!」
自分の力で開けた自動ドアを通り中に入ると…
「お〜、明るい」
上のガラス張りのおかげか、中に太陽光が燦々と入っていてとても明るい。
「中は〜…うん…まあ…そうだよね」
やはりすっからかんな中を見て肩をすくめる。
「…でも、少しは探索しますか」
そして、少し中を見て回った。
…中には特にめぼしい物は無かった。
「…なんだこのバナナに手足が生えたみたいなぬいぐるみ…」
探索を終えて、まあまあ物が残っていたお土産の棚を見ている。
なかなか個性が強めの物ばかりだけど…
「…謎バナナのパンツ…こっちは筆箱…」
なんか多いなこいつ…てか、パンツは売れんやろ。
需要がないやろ!徳川さんより!
「ん?あ〜!これ!」
目線の先には、ファーしっぽ(ミニ)のキーホルダーがある。
「これ、うちもバッグにつけてたな〜」
謎バナナのとおり、ここはバナナ推しなのか…
このファーしっぽもバナナみたいに黄色でさきっぽ黒というカラー…
「でも…キツネみたいでかわい〜!」
あれ?キツネはさきっぽ白だったかなぁ?まあ…どっちでもかわいいしいいか…!
「…実質タダ…!」
3個ぐらい貰ってもいいよね…
〜 〜 〜
「いや〜…探索してよかった〜!」
ファーしっぽと、なんとなくで謎バナナのキーホルダーをポケットに入れ、こじ開けた自動ドアに向かう。
「よっと」
身体を横にし、半開きのドアから出る。
そして、少し先に停めたバイクに向かう…すると
「…ん?この音…バイクか?」
さっき走ってきた道の方から"ブウゥゥゥン"と、バイクのエンジン音が聞こえてきた。
終末少女のバイク旅 show3 @30cdb
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