概要
突然金塊をもらったら、どうする?
借金まみれの猿子猛は、天人に金塊をもらった、という伝説がある山へ行く。なんと本当に天人(?)から金塊をもらう猿子。しかし、再び山へ行ってみると…?
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!これが令和の杜子春だッ!!
まず……、
凝り固まった頭のツボにきく刺激が欲しかったり、
文学で脳天をぶん殴られたい人がいるなら、志草先生をフォローすべきだ。
この方の作品はいつも、凡人の想像を超えてくる。
今回もそうだ。
思えばちゃんとタグを読んでおけばよかったのだ……。
とある昔話からスタートするのだが、
早々に『現代、現代』が始まっても
物語は、昔話風の口調で進んでいく。設定はちゃんと現代である。
猿子という男が金にだらしなく、借金苦であるという話である。
そこで、昔話に出てきた山に登ってご利益をいただこうとしたところで……
……
という物語である。この先は言わないでおく。
知らないで読み進…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人間にとってお金って何? それに目を輝かせる姿、傍からはどう見える?
このシニカルなオチ。これぞSFと、皮肉めいた笑いがこみ上げます。
昔話などによくある話。「神様のような存在から金塊を与えられ、幸せに暮らしましたとさ」という。
そうした逸話と同じように、猿子猛(ましこ・たける)も享楽的な生活の果てに借金まみれになり、その果てで「金色に輝く人間」から金塊を与えられる。
それによって借金を返せてハッピーになれるはずが……。
果たして、「神様のようなもの」はなぜ人間に富を与えてくれるのか。どんな基準で、どんな目的で。
それは人間のためとか、徳を積んだ報いとか、そういうものとは限らない。「神様に見えるもの」が人間の信じる「善の存在」とは限らない…続きを読む