転生の魔女 神殺しの魔女が転生したら大変なことに巻き込まれたお話
@ichinojou
第1話
第1章はじまり
人間界に神々は必要ない。
私たちは魔族を人間界から追放したあと、神々を追放するために旅を続けていた。そして今、最後の大物と厄介な2神を追って、伸界の門が開いている神々の山脈を進んでいる。
神々の山脈に植物、動物、魔物の気配はない。まさに死の山だ。こんなところに伸界への門があることが信じられないような風景が続く。
私は従者のカムが背負っている椅子型の物に座っていた。体が弱いため山道は到底無理だということで、こうなった。
ゴフォゴフォ
私は咳き込んでちょっと苦しいのを耐えた。この体はもう長くはもたないだろう。早く転生の秘術を行わなければならない、死期が近づいている。
そのとき、前方に人影が2つ現れた。軍神プロウディスと魔法神ニフレナだ。
先頭を歩いていたリュミエールが剣を抜いて構える。ラクテとカロルも剣を抜いたフォンス、ヴァリテ、トネールは魔法を唱え始める。先制する気だ。私もカムの背から降り、神力無効の魔法を準備する。カムは無の剣を構えて前方に動き出す。
共に戦闘態勢が整ったタイミングで、フォンス達の魔法が発動した。
夢を見ていたのだろうか、私は混とんとする意識の中、目を開けた。そして自分の体を確認する。愛らしい小さい手足に小さな体。私は赤ん坊のようだった。
主神オリポスを倒してから転生の禁呪を行った。そして目覚めたら、赤ん坊だった。あたりまえか。声を出そうとしたら、泣きはじめる結果となった。
「ラテシアちゃん起きたのねぇ」
母親らしき女性が私を抱き上げ抱っこする。たぶん母親は 白銀の髪で腰まであるストレートヘアー、そして金色の瞳をしたキレかわいい顔をしている。ん、金色の瞳って、まさか、魔眼。魔眼持ちなの母上。
「どうしたのラテシアちゃん」
「あらら、おしめみたいねぇ」
「奥様、私共がいたします」
メイド?らしき人たちが母親に話しかける。
それより、お・し・め
え~おしめ、そういえば下半身に違和感がある。
「私がやるわよ」
そう言って母親は私をベットに根がせておむつを外しだす。
なにこれ~。
おむつを替え終わり私は泣き止んだ。そして母親はふたたび私を抱き上げた。
今、私は何か月目なのだろうか
いつまでこの状態なのだらろう
せめてしゃべれるようになればなぁ
そう思いながら、おなかがすいたので、母親の胸元を見た。
「おっぱいほしいの~」
とうれしそうに母は胸を出した。
今日は魔導歴522年2月2日。
私の10歳の誕生日だ。
私が転生した先はプレイトル魔導王国のリップル伯爵家の長女として生まれたのだ。
伯爵令嬢なのである。えっへん。
ここプレイトル魔導王国では10歳になるとお披露目をしないといけない風習がある。だから今日は私のお披露目の日になる。国内の有力貴族のうちイスベルグ派の方々が招待されている。
貴族の派閥争いはよくはわからないが、リップル家はイスベルグ公爵の派閥に入っているらしい。だから敵対派閥のプルウィア公爵派の貴族は来ないのだ。あとさすがに国王様も来ないけどね。
私は父親と母親二人と挨拶をしていた。
今、イスベルグ公爵令嬢との挨拶が終わったところだ。イスベルグ公爵令嬢はこの国の第一王子の婚約者でもある。淡い青色の髪に青い瞳、整った顔立ち、絶世の美女だ。そして、性格も温厚そうだ。
人を見る目はあるつもり。
そして次に現れたのは、190cmぐらいの長身でガッチリしたガタイの20代後半ぐらいの精悍な男性だった。金色の髪を短めにしていて、濃いめの目鼻立ちで顎にはちょび髭がある。
「アンフィス・レシです。ラテシア嬢」
「アンティス殿は近衛騎士団長で騎士爵位の方だ」
父が説明してくれた。
たしか非魔の人だ。非魔とは魔力のないまたは魔力が極めて少なく魔法が使えない人々の俗称だ。
そしてアンフィス氏は非魔ながら剣ひとつで成り上がった英傑だ。
「アンティス様は王国一の剣の使い手と聞いております」
「はい、王国では私に剣でかなう者はいませんよ」
「一度、その剣技を見てみたいです」
「そうですね、一度近衛騎士団の訓練所にお越しください」
「訓練を見学できるよう手配しますよ」
「はい、ぜひ」
「アンティスそろそろいいか」と若い男の声が聞こえた。
そして、その人は現れた。
淡い青の髪を後ろで束ねている。長さは肩ぐらい。瞳は吸い込まれそうなほど綺麗な青。整った目鼻立ち。なかなかの美男。
「アウル・ド・プレイトルだ」
「ちいさなお嬢さん」
えっ。
プレイトル…
すると兄のクロワールがひょこっと顔を出す。
「アウル殿下だぞ、ラテシア」
「ちゃんと挨拶しろ」
私はとっさに自己紹介をはじめた。
「ラテシア・リップルです」
「殿下」
アウル殿下は笑みを浮かべながら話しかけてきた。
「君がプレイトル王国始まって以来の天才、ラテシア嬢か」
「話は聞いているよ」
「飛び級で院に入ったってね」
「はぁ」
そうだ、私はプレイトル王立魔導学院の入学試験でやってしまい、いきなり最高学位の院に入学させられたのだ。
そうか、珍しいもの見たさで殿下は来られたのだな。と勝手に思い込むことにする。
アウル殿下が口を開いた。
「小柄だが歳相応といったところか」
「クロワールとは違い、白銀の髪に金色の瞳、魔眼か」
と言われたので答えとくことにした。隠すことでもないので(というか隠せない)
「はい」
「顔立ちは母親似で美人になりそうだ」
なんか値踏みされているような気分になった。いやされている。何のために…。
「ところで今、何階梯までの魔術を使えるんだ」
あんまり答えたくないが正直に答えた。
「12階梯です」
ほんとうは無属性魔法なら14階梯まで使えますとは言えないので水氷魔法の使えるランクを答えた。
「その年で12階梯なんて、本当に天才なんだな」
「俺なんか11階梯がやっとなのに」
あれ、たしかアウル殿下は今年で16歳。高等部のはず。高等部では10階梯までの魔法の資料しかない。どうややって11階梯までと疑問に思ったら声にでた。
「どうやって11階梯の魔法を覚えたのですか」
「失礼だぞラテシア」
父親が口をはさんできた。
「ごめんなさいお父様」
「かまわないオルグイユ」
とアウル殿下が言った。
「殿下がそうおっしゃるのならば」
「城には14階梯までの氷水魔法の魔導書があるんだ、だから独学で学んだ」
「14階梯」
「興味がありそうだな」
「たしかに13階梯と14階梯の魔法は国王の管理下に置かれているから王家のものしか見ることが禁止されているからな」
「だが、私と結婚すれば見れるがな」
「結婚?」
「嫌そうに言うな、すこしショックだろうが」
「そうだ、婚約しようラテシア」
とんでもないことをこの王子は口ばっしった。
「俺と婚約したら、見れるかもしれないぞ魔導書」
かなり強い誘惑ではあったが私は断ることにした。だいたい10歳で婚約とかいやだ。
「お断りします」
「そういわずに」
「だいたい、リヴァージュ様という立派な婚約者がいらっしゃるではありませんか」
「別に婚約者が二人いてもかまわないだろう」
「私を独占したいというなら、リヴァージュとの婚約は破棄するが」
ちょっと何いってんのこの人。女を何だと思ってるんだ。だいたい10歳の小娘に婚約申し込むなんてロリコンかよ。
絶対嫌だ。
「お断りします」
と断りを2回いれたところで、殿下の後ろに立っていた青年が口を開いた。
「殿下、お戯れはそのぐらいしにして下さい」
「カウスまで反対するのか」
殿下はしょんぼりしていた
「そろそろいきましょう」
カウスと呼ばれた青年は殿下にそう言った。
「しかたない、また会おう」
と言って殿下たちは去っていった。
なんなんだ、あの能天気王子は、この国は大丈夫なのか。でも、フォンスの面影が少しあったなぁ。
「気にするなラテシア」
「お父様、殿下はいつもあんな感じなのですか」
「うーむ」
あんな感じなのね
「まぁ、今日のことは心配しなくても大丈夫だろう」
「さすがに殿下でもこれ以上婚約をせまってくることはないと思うぞ」
ならいいんだけど。
「わかりました、お父様」
ぐぅ~
私のおなかがなった。
「ふふふラテシアおなかが空いたようだな」
「そろそろ挨拶も終わりだろう」
「リヴィエ、ラテシアをテーブルに連れて行ってくれ」
「わかったわ、行きましょうラテシア」
私は母親に手を引かれてテーブルに並ぶ料理のもとへと向かった。
翌日、私の朝は早い。
いつも通り6時に起床し、メイドのエレと身支度を整える。そして朝食をとり馬車へと向かう。
馬車では執事のレトンが待っていた。
「ラテシアお嬢様おはようございます」
「おはようレトン」
などと挨拶を交わしながら、馬車に乗り込んだ。
レトンが馬車を走らせる。
私が生まれたのは、水と氷の王国プレイトル。
神々と戦った仲間が建国した国だ。
私以外の6人は、世界中に散って魔導王国を建国し、初代国王になっていた。魔法剣士の3人以外は国王とは縁遠い人たちと思っていたが、違ったらしい。
プレイトル王国の王都はカナーリスという。
大河モルファの河口に位置し、町の周りを10メートル近い高さの城壁と16本の搭に囲まれている城塞都市だ。モルファを挟むように広がっている街は、モルファにより北側と南側に別れている。北側は貴族街、南側は庶民街になっていて、王城は北側の中央に位置している。そして私の目指す魔法学院は北側の一番東側、海に面したところにある。
豪華な建物が並ぶ貴族街を東に進み、南の関から王城へと続く大通りフォンス通りを横切り、王城の前を通って、学院へと馬車は進む。
学院の3本の搭が見えてくる。
搭の前に校舎がある。
馬車が門の前でとまり、私はレトンの差し出した手を取り馬車を降りる。
「じゃあ、レトン、行ってくるわ」
「いってらっしゃいませ、ラテシアお嬢様」
まだ、学院が始まるには早い時間なので、生徒の姿は見えない。
私は、一人で初等部の学舎へと足を進めた。
なぜこんなに早く来るかというと、私は初等部の生徒ではなく講師なのだ。
あれは3年前。
初等部の入学試験のこと。
私は盛大にミスをした。
軽くやったつもりが、軽くはなかったのだ。まぁ、入学試験でやらかした私は、いきなり院生として入学することになった。そして2年前から院生兼初等部の講師をしている。
私は、初等部校舎の地下にある私室へ向かった。
質素なドアに手をかざす。「ウルラカフ」私が呪文を唱えるとドアが開いた。
ほどよく整理された部屋に入る。
しかし、机の上は書類でゴチャゴチャだ。
椅子に座り、書類を整理する。
そして、今日の授業の内容を確認した。
今日の授業は魔導の基礎だから、講義なので準備するものはない。
ということは、今日の朝は、研究に打ち込める。よし。
私は、机の上にある木箱を開け、中から赤い石をとりだした。
この試作品が予定どおりの力を発揮すれば。と思いながら石に魔力を込めていくのであった。
それから作業を進めていると、チャイムが鳴った。
そろそろ、教室へ行こうかな。
私は石を木箱に戻し、一冊の本と書類を持ち部屋をでた。
2階にある初等部3年生の教室へと向かう。
階段を上がり、教室の扉を開ける。
階段状の席にが3列並んでいる。やや扇形の部屋だ。
子供たちが慌てて席につく。そして、私の眼には信じられない光景が飛び込んできた。
教壇の正面の席に大人が座っているのが見えたのだ。
まさか、そう、そのまさかアウル殿下が腹心のカウスさんと共に陣取っている。
私は、二人を無視して授業を始めることにした。
「魔法は、氷水、土・錬金術、火炎、風雷、光、闇、無の7属性にわかれます」
「そして、それぞれの属性に1階梯から14階梯までのランクがあります」
「階梯はマギクム(魔法陣)がでる枚数で決まります」
「このようにして」
カーン、カーン
授業の終わりを告げる鐘の音が響き渡る。
結局、アウル殿下は普通に授業を聞いていただけだった。なにしにきたんだ。
「では、今日の授業はこれまでです」
私は、教室を出ると私室へと向かう。
「あの、なぜついてくるんですか」
アウル殿下とカウスさんが私の後ろをついてきていた。
「すこし、話がしたくてな」
「私は話すことありませんが」
「そう言わずに」
などと言っていると、私室の前まで来た。
私は扉の鍵を開けて中へと入る。すると二人も入ってきた。
「なに勝手に入ってるんですか」
「わりと片付いているじゃないか」
私は机に向かい椅子に座る。
すると、勝手に椅子を出してきて二人も座った。
「それにしてもいい授業だった」
「教え方がうまいな」
アウル殿下が口を開く。
「私も驚きました」
今まで寡黙だったカウスさんが口を開いた。
「お褒めいただきありがとうございます」
いちお、お礼を言っておいた。
「魔法の天才と聞いていたが、授業もちゃんとできるなんて思わなかった」
「はぁ」
「それでお話とはなんですか」
「そうだった」
「婚約の話だが前向きに考えてくれてるか」
とんでもないことを言ってきた。
なんだ昨日の今日でなにいってるんだろう。
「いえ、冗談だと思ってまったく考えてません」
「冗談なんかじゃない」
「本気だ」
「本気だったんですかぁ」
「でも、殿下にはすでに許嫁がいらっしゃるかと」
「昨日も言ったが、婚約者が二人いてもかまわないと思っている」
「どうしてもリヴァージュといっしょが嫌だというのなら、リヴァージュとの婚約は破棄しても構わない」
「殿下、それは殿下の一存では決められません」
カウスが割って入ってきた。
「イスベルグ家との関係悪化につながりかねません」
「そのへんはカウスが調整してくれるんだろう」
「無理です」
二人で話を進めようとしていたので言葉を挟むことにした。
「あの~、どちらにせよ、婚約の件はお断りします」
「なぜだ」
部屋に響き渡る大声で、殿下は聞いてきた。
「俺と婚約すればリップル家も安泰だし、将来も安泰」
「さらに、王城の禁書が閲覧できるかもしれないおまけつきだ」
「どこにわるいことがある」
ものすごい勢いでまくしたてられたが、丁寧にお断りすることとした。
「でも、お断りします」
「理由が知りたい」
「理由ですかぁ」
「まず、まだ10歳なんで結婚なんて考えられません」
「魔法の研究が続けられなくなる可能性が高いのと」
「リヴァージュ様にわるいです」
「すぐ、結婚するわけではないし、研究も続けていい」
「リヴァージュには、ちゃんと説明して納得してもらう」
「どうだ」
「どうだと言われても」
「嫌なものは嫌です」
カウスさんが割って入ってきた。
「殿下、そろそろ時間です」
「なに」
「しかたない、今日はこのぐらいにしよう」
「じゅあ、また明日な」
と言って、アウル殿下たちは部屋を出て行った。
また明日って、どんだけ執着してるんだ。
あれから1週間がたった。
アウル殿下たちは、毎日、午前中の授業に顔お出し、そのあと私の部屋に来て説得するというのを繰り返していた。
なぜ、そこまで私に執着するのか。
ただのロリコンなのか。
それとも、何か他の理由があるのか聞けないまま今日まできている。
そして、アウル殿下たちは私の部屋でくつろいでいる。
「なぜ、そんなに私に拘るんですか」
「ここまで言ってもダメなら、正直に言おう」
「ラテシアは、10歳で12階梯まで魔法を習得していると聞いている」
「はい、そのとおりです」
「今の王は知っているか」
「俺の父親だ」
「はい、存じております」
「モール王ですよね」
「そうだ:
「初代フォンス・ド・プレイトルから数えて15代目の王だ」
「初代のフォンスは14階梯の氷水魔法を使い、その13階梯から14階梯の魔法を禁書として現在に残している」
フォンスはそんなことをしていたのか、それで13階梯以上の氷水魔法の魔導書が豊穣にしかないわけなのね。
「これまでの王は13階梯や14階梯の魔法が使えた王がほとんどだが、最近の王は、12階梯までの魔法しか使えない」
「父親もその一人だ」
「俺も今のところ11階梯までしか今は使えない」
「この状況をどう思うラテシア」
「血が薄まっているとでも言いたいのですか?」
「そうだ、俺はそう考えている」
「まさか、私が13階梯、14階梯の魔法が使えるかもしれないという前提で、その血をプレイトル家に入れたいということですか」
「そうだ」
「あとは一目惚れだ」
なるほど、たしかにフォンスは天才だった。しかし、その子孫が天才である保証はないということか。
そこまで深刻な状態になっているとは思ってなかった。
プレイトル家は安泰なものと思っていたのに。これだと、ほかのメンバーの王国も同じような状況になっている可能性がある。
ん、一目惚れ。
「一目惚れですか」
「そうだ、ラテシアは綺麗になる」
「保障する」
「はぁ、理由はわかりましたが、私はプレイトル家の犠牲になる気はありません」
「犠牲って」
アウル殿下は絶句していた。
「まぁいい、まだ時間はある」
まだ諦めないのか。
あきれたポジティブ思考だ。
「そうだ、話は変わるが」
「なんの研究しているんだ」
「秘密です」
「うまくいけば、王国は変われますj
「王国が変わるね」
「期待してるよ」
「じゃあ、今日はそろそろいくよ」
「はい」
そう言って、アウル殿下たちは去っていった。さあ、研究しよう。
私の研究は、魔力を増幅させる魔石を作ることだ。もともと、前世で無属性の魔法を得意としていたこともあり、無くすほうへの力を加えるのは得意だが、増やすほうの力は不得意だった。
だから、この研究に2年もの歳月をかけている。
これができれば、王国の非魔に対する差別問題を解決できると信じている。
非魔は下級市民としてあつかわれ、過酷な肉体作業を強いられる。更に、非魔には爵位も授けられない。所謂、貴族に魔法を使えないものは居ないのだ。
現在、非魔たちがレジスタンスとして、北のほうに拠点を築いている状況だ。
こんな状況を打破するための起爆剤が魔力を増幅させる魔石、魔増石だ。
そうこの日までは思っていた。
アウル殿下たちが帰ったあと、私は、私室で研究を続けていた。
「それにしても、アウル殿下はしつこいなぁ」
などと言いつつ、魔増石の試作品を眺めていた。
そう、そこまでは記憶があるのだが…。
私は、若干の頭痛を感じながら、目を覚ました。
なんで寝ていたんだろう。
あたりを見回すと、狭い部屋に一人で寝ていた。しかも、手足が縛られている。いや、手は見慣れない手錠状のアーティファクトで拘束されている。
壁は岩石がむき出しになっている。屋敷などのたぐいではなさそうだ。
洞窟?。
そんなことより、どのぐらい眠っていたのだろうか。そして、ここはどこなのだろう。
そのころアウルは
俺は焦っていた。
リップル家からラテシアが帰ってこないとの連絡をうけて、丸1日がたつ。
俺が不用意にも、お披露目会の席で婚約の話などしたから、敵対勢力に察知された可能性がある。密偵か。などと、思い、気が気ではないのだ。
影からの報告では、ラテシアが消息を絶った時に、子供サイズの袋を背負った男たちが目撃されている。その男たちは、北へ向かったと報告を受けた。
北には、プルウィア公爵家がある。
プルウィア公爵家はイスベルグ公爵家と対立している。
そして、いま王国の中枢にはイスベルグ公爵家派が牛耳っている。
だから、プルウェア家はイスベルグ家の派閥にあるリップル家の娘が俺の婚約者になることを望んでないはずだ。
そんなことを考えているとカウスが部屋に入ってきた。
「殿下、ラテシア嬢の居場所がわかりました」
「どこだ」
「ラヤ川の上流にあたるアウルーラ山脈の遺跡あとです」
「遺跡あとだと」
「はい、反魔導派の拠点があるところです」
「反魔導派」
「プルウェア家とは関係ないのか」
「はい、そのようです」
「わかった」
俺は少し、安堵した。
だが、反魔導派がなぜラテシアをさらったのだろう。
疑問は残るが、早く救出しなければ。
「いくぞ」
そう言うと同時に部屋を出た。カウスが慌ててついてくる。
「殿下、どちらに行かれるのですか」
「っいてくればわかる」
俺は王城を出て東側に向かい、軍務省の建物の前で止まった。
「殿下、軍務省でどうされる気ですか」
「入ればわかる」
軍務省の衛兵に話しかける。
「大臣に会いたい」
「アウル殿下、大臣ですか」
「いいから話をとおせ」
「わかりました」
しばらくして、衛兵がもどってくる。
「大臣はお会いになるそうです。応接室でお待ちください」
「わかった」
俺とカウスは応接室に通された。
早く会って話をしたいところだが、ここは我慢だ。と自分に言い聞かせ平常心を装いながら待っていた。30分ぐらいすると衛兵が応接室に入ってきた。
「大臣が大臣執務室にくるよう仰せです」
「わかった」
そう言って俺は、大臣執務室へと歩き出す。本当は走りたい気持ちだが、ここは抑えていかなければ。
大臣執務室の前までくると、衛兵が扉を開けた。
俺とカウスは大臣執務室へ入った。大臣執務室は広々としており、壁には歴代大臣の肖像が飾られていた。部屋の中心に会議に使うであろう豪華なテーブルがあり椅子が10脚ほど置かれている。そしてその椅子のひとつに次官のオルグイユが座っていた。
大臣は執務用の机の椅子に座って、俺に話しかけてきた。
「アウル、何の用だ」
「伯父上、ご無沙汰しております」
「畏まった話はいい、本題を言え」
「リップル家の長女ラテシアが、反魔導派に誘拐されました。反魔導派は北の遺跡にラテシアを拉致しているようです。俺が助けに行くんで、近衛騎士団の団員を20名ほど貸してほしいのです」
「ほう」
「おまえ自ら助けに行くというのか」
「はい」
「ラテシア嬢は、王国始まって以来の魔法の天才だ。だが、一伯爵令嬢に過ぎない。その伯爵令嬢に対して、近衛騎士団を動かせと」
「俺は、彼女に婚約を申し込んでいます。だから、未来の妻のためにお願いしたいのです」
「未来の妻か、私の娘との婚約はどうする気だ」
「俺は、婚約者が2人いても問題ないと思っています」
「自分勝手な考え方だな」
「だが、たとえおまえの婚約者だとしても、近衛騎士団は動かせん」
「なぜですか」
「ラテシア嬢が囚われているのは、プルウィア公爵領の西の端にある古代遺跡だ。ここで近衛騎士団が戦闘を行えば、エフィカスに挙兵する口実を与えることになる」
「そんなにもプルウェアとの関係は良くないのですか」
「そうだ」
「それなら近衛騎士団とわからないようにすればどうですか」
「ラテシア嬢を誘拐した反魔導派は100名ほどの集団だ。100名規模と犠牲を出さずに戦うには、おまえの言ったとおり20名は必要だろう。20名の近衛騎士団をカモフラージュする方法がない」
俺は絶句した。このままではラテシアを助け出す方法がないことになる。
「じゃあ、どうやってラテシアを助けるんですか」
俺は絞り出すように声をだした。するとオルグイユが話し出した。
「私の方からプルウェア家に助力を得られるよう交渉しようと思っております。ですから殿下は、吉報をお待ちください」
「それでは時間がかかりすぎる」
俺は悲壮感をただよわせながら声を振り絞る。
「それしか方法がないのです殿下」
オルグイユは落ち着いた声で言った。
そのとき大臣執務室の扉が開いた。
「アンフィス、何しに来た」
伯父上が驚いたように声を上げた。
「話は扉の外で伺っておりました」
「大臣、私がラテシア嬢の救出の向かいます」
「何を言っているんだ」
伯父上が怒鳴った。
「私が行けば、20名も団員を派遣する必要がありません」
「そうですね、私含めて3名でいけます。あと、殿下とカウス殿の合計5名」
「少数精鋭ってやつです」
「相手は100人いるんだぞ」
伯父上が再び怒鳴った。
「ひとり20人ですよ」
アンティスは余裕ですと言いたげに告げてきた。
「大丈夫ですよ」
「いつも、近衛騎士団と一緒に剣の修行をしていたんですから」
「どこぞの馬の骨ともわからない連中に遅れはとらないでしょう」
「それに殿下たちは魔法が使えます」
「しかし」
伯父上は困ったように言う。
俺は、アンティスの提案を受けることにした。
最善の策かはわからないが、ラテシアを助け出すにはこれしかない。
「伯父上、アンフィスの案で行かせてください」
伯父上が困ったように首をかしげている。もう一押しだ。
「アンフィスがいれば大丈夫です」
伯父上もアンフィスの強さは認めている。これで押すしかない。
すると伯父上が言い出した。
「わかった、アウルとアンフィスがそこまでいうのなら、5名での救出作戦を許可しよう」
よし、俺は心の中でガッツポーズを決めた。
「では、プルウェア家に悟られないように移動は転界晶を使います。密偵に遺跡の近くの適当な転移ポイントを探らせてください」
「わかった」
オルグイユが答えて、部屋を出て行った。
翌朝、我々5人は転界晶を使い北へ向けて出発した。
メンバーは、近衛騎士団からは団長のアンティス。アンティスは魔法は使えないものの、剣の腕前だけで爵位を取るほどの腕前だ。ニコとレクトは魔法剣士だ。二人とも8階梯の魔法まで使えるらしい。
そして、俺とカウスの5人。俺とカウスは初陣だが、アンティスがなんとかなると言っているのでそれを信じることにした。
「アンティス、ここからどうする」
「殿下、密偵の情報によりますと、ラテシア嬢は遺跡の中央部に捕らえられてるとのこと」
「我々3人でおとりになります。そのすきに殿下たちはラテシア嬢を救出してください」
「わかった」
「では、作戦開始は夜にしましょう」
「わかった。夜まで休息をとろう」
闇夜にまぎれて遺跡の方に動き出す。
影からの情報によると、賊は酒盛りをしてるらしい。攻撃するには絶好のチャンスだ。作戦はニコとレクトがファイヤーボールを酒盛りをしている集団に打ち込み、アンティスが切り込む。
そのすきに、俺とカウスが遺跡に入り込むというものだ。
木材で作られた簡素な塀のそばまでたどり着いた。
ニコとレクトがファイヤーボールの呪文を唱えだす。そしてアンティスが走り出した。
俺とカウスもそれに合わせて遺跡の入口へと走り出す。
アンティスが賊に切りかかる。一瞬で3人の首が飛ぶ。すさまじい剣技だ。
よそ見をしている間に、二人の賊が近づいてくる。俺は剣を抜き上段から剣を振り落とした。賊は剣を受け止めようとしたが、その剣ごと賊を真っ二つにした。さすが魔剣ペーパーナイフ。まるで鉄を紙のように切ることからその名がついた。
もう一人が怯んだすきに横にペーパーナイフを振る。また真っ二つになった。この剣すごすぎると思いながら入口へと向かう。
入口に先に着いていたカウスと合流した俺は、遺跡内部へと入っていった。
そしてラテシアは
私は目覚めてから数時間後、私を誘拐した犯人達が部屋に入ってきた。
入ってきたのは、黒いローブを着た男と、小太りの男、そして中肉中背の男の3人だ。
黒いローブの男が私に向かって話はじめた。
「プレイトル王国始まって以来の天才も、そのアーティファクトの前ではおとなしいものだな」
「さて、この石の使い方をおしえてもらおう」
と言って、魔増石を私に見せた。
「この石が、魔力を増幅させることはわかっている。使い方を教えろ」
少し高めの声で私に命令してくる。
「その石はまだ試作段階で、ちゃんと使えるかもわからないわ」
と、適当に嘘をついた。
「じゃあ、私がテストをしてやろう。使い方を言え」
私は適当にデタラメな方法を教えた。
「よし、おまえら、ちゃんと見張っておくんだぞ」
と言い残して黒ローブの男は去っていった。
「へっへっへ、こんなかわいい子見たことない」
「お頭の許可がでるまではなにもするなよ」
とか言いながら見張りらしき小太りの男と中肉中背の男は部屋を出ていった。
けっ、ロリコン野郎か。
さて、ここはどこなんだろうか、そして、あいつらは何者なのだろうか。
とりあえず、攫われたのは魔増石のせいらしいことはわかった。あと、私の魔眼で見た限りでは、連中は、黒ローブ以外非魔らしいことがわかった。
あと、この手に手錠のようにはめられてるアーティファクトは魔力を吸収する効果があるらしい。魔法を使おうとすると、アーティファクトに魔力を吸収される。
しかーし、この程度のアーティファクトでは、私の魔力は抑えられない。壊そうと思えばいつでも壊せるし、無効化もできるだろう。
あとは、脱出のチャンスをうかがうだけだと思ったとき、おなかが鳴った。そうだ、どのぐらい寝ていたがわからないが、寝ていたあいだ、何も食べてないのだ。おなかもすく。
さて、どうしようかと考え出したとき、爆音が響いた。なにかあったらしい。まさか魔増石が暴走したとかじゃないよね。とヒヤヒヤしながら状況を確認しようと扉に耳を当てて外の音を聞こうとした。
「てきしゅう~」
何者かに攻撃されてるらしい。さっきの爆音だと魔法だろう。まさか助けがきたのかな。などと考えてるとき扉の外が騒がしくなったので、扉から離れた。
すると、扉の錠の部分から剣先が出てきて、扉が開いた。
「ラテシア」
見慣れた姿が現れた。アウル殿下だ。
「ラテシア無事か」
と言って、私に抱き着いてくる。
「殿下、くるしいです」
「あっすまん」
「怪我などはないようだな。何もされなかったか」
「はい、大丈夫です」
答えてる最中に足の縄を切ってくれた。
「そのアーティファクトは魔破の手錠じゃないか」
「反魔導派がそんなアーティファクトを持っているとはな」
「この人たち反魔導派なんですか」
「そうだ」
「なんでラテシアを攫ったかはわかっていない」
「なにか心当たりはあるか」
あー、どうしょう。魔増石のことを言うか。怒られる気がする。しかし、ここまで助けに来てくれた相手に嘘をつくのはよくないかぁ。
私はしぶしぶ魔増石の話をした。
「そんなものを作っていたのか」
「で、その魔増石だったか、それは今どこにあるんだ」
「黒ローブの男が持っています」
「黒ローブか、今のところ見てないな」
すると扉の方から声がした。
「殿下、そろそろ脱出しないといけません」
カウスさんの声だ。カウスさんも来てくれていたのか。
「わかった」
そう言って殿下は私を抱えて扉の方へ走り出した。
扉をでてから、狭い通路ろを進んでいく。通路はランプの明かりで照らされている。魔光石の明かりではないのですこし暗いが、なんとか進んでいけるようだ。
最初は洞窟を住居にしたようなところだと思っていたが、ちゃんとした人工の建築物のようだ。
狭い通路を殿下たちは駆け抜けていく。途中、目隠しをされたが、敵の死体を私に見せたくないからだろう。
5分ほど進むと、出口らしきところまで来たところで止まった。
「外の様子はどうだカウス」
「殿下もう戦闘は終わっているようです」
「よし」
殿下は私を抱えたまま、外へと歩き出した。
「殿下、ラテシア嬢、無事でしたか」
聞いたことのある声だ。よく見るとアンティス近衛騎士団長がこっちに歩いてくる。殿下は近衛騎士団を動かしたのだ。私のために。やりすぎだわぁ。
「アンティス団長、助けに来てくださいありがとうございます」
私は殿下に抱っこされたままアンティス団長に話かけた。
「ラテシア嬢もお元気そうでなによりです」
「殿下、外にいた賊はすべて始末しました。あとは遺跡内に残っていないか調べます」
「殿下たちは遺跡の外で待っててください」
「わかった、アンティス」
そのとき、遺跡の3階付近の穴から黒ローブの男が出てきて大声で語りだした。
「これはこれは、アウル殿下自ら助けに来られるとは、よっぽど、その娘は大切だとみえる」
「貴様が、首領か」
「わざわざ近衛騎士団長も来られたのに、こんな雑兵では物足りないでしょう」
といって黒ローブは呪文を唱えだした。攻撃魔法ではない。私の知らない呪文だ。
空中に逆五芒星のマギクムが描かれる。
そのマギクムの中から、金髪で赤い瞳の小柄な男が出てきた。いや人間ではない。背中には蝙蝠の羽をもっており空を飛んでいる。あれは魔族だ。それも爵位もち。
そう考えると同時に私はアイスウォールの呪文を完成させた。
巨大な氷の壁が私たちを包み込む。それと同時に壁の外で爆音がする。あの魔族が攻撃魔法を放ったのだ。
「人間ごときが私の魔法を防ぐか」
「あれはなんだ、ラテシア」
「殿下、あれは魔族です」
「たぶん爵位もちでしょう」
「爵位もち」
「そうです、魔族の上級種です、強いですよ」
「ラテシア嬢は冷静だな」
アンフィス団長が話しかけてきた。
「なんとか地上に卸すことはできないかな」
「魔族は羽に風魔法を纏わせて飛びます」
「そうか、羽を落とせば落ちるんだな、ラテシア」
「はい、殿下、アンフィス団長」
「この壁を解いてくれ」
さて、この二人は戦う気満々だ。どうしたものか。
「その前に」
と言って私はディスペルを唱えた。マギクムが複数枚発生する。そして。
カチャ
私にはめられていた魔破の手錠が地面に落ちる。
「そんな簡単に、外せるのか魔破の手錠って」
「どんな魔法を使ったんだ」
殿下が驚いた様子で私を見ている。
「そうみたいですね」
「不良品だったのでは」
とはぐらかして、殿下たちに向き直った。
「じゃあ、アイスウォールを解きます」
「頼む」
私はアイスウォールを解いた。魔族は空中で悠々と漂いながらこちらを見ていた。
「ようやく出てきたか」
そう魔族が言った瞬間、殿下たちの声が響いた。
「アイスジャベリン」
無数の氷の槍が魔族の羽に向かっていく。たぶん届かないだろうけど。私の予想どおり、氷の槍は魔族に到達したと思った瞬間、四散した。
「私にこの程度の魔法は効かないぞ」
「ばかな」
「ならこれはどうだ」
と言って殿下は呪文を唱え始める。マギクムが10枚!10階梯魔法を唱えたのだ。
「ウォーターカッター」
殿下がはなった魔法は、水の薄い膜を刃にして敵を切り裂くものだ。これなら効くかもしれない。
「ディスペル」
魔族はしずかにディスペルマジックを唱えた。ディスペルマジックは術者の魔力量に左右される。魔力が相手より大きくないと打ち消せないのだ。
だが、殿下のウォーターカッターは、簡単に消え去った。
前に殿下が言っていたが、フォンスの血は薄れているのだろう。フォンスが知ったら泣くだろうな。魔族それも爵位持ち程度に遅れをとっているなんて。
「殿下、私が落とします」
そういって、風の5階梯魔法エアカッターを放つ。
「ラテシア、今のを見てなかったのか」
と驚いている殿下を後目に、魔族の羽はバッサリと切れて魔族は落ちてきた。
「ばかな、私のディスペルが効かないだと」
落ちてきた魔族は立ち上がりながら驚いている。
次の瞬間アンフィス団長がものすごいスピードで魔族の方へ近づく。そして、剣を一線したと思ったら、魔族の首が飛んだ。すごい、まるでカムを見ているような凄まじい剣技。
魔族の首は凍り付いており、飛んだ頭も凍り付いていた。魔剣か。
私は遺跡の3階付近に検索魔法をかけた。黒ローブは居なかった。逃げたか。あいつには聞かなければならないことがある。魔族の召喚方法だ。絶対に見つけ出す。
やがて魔族の体が灰に帰していく。
「ラテシア、アンティスありがとう」
「助かったよ」
「殿下、ラテシア嬢、お怪我はありませんか」
アンティス団長が気遣ってくれた。
「ものすごい剣技ですね、アンティス団長」
「ラテシア嬢にお見せすることができて光栄です」
「その魔剣もすごいですね」
「アイスブラントです。王国の5大魔剣のひとつです。陛下から賜りました」
「そうなんですね」
「アンフィス団長の剣技には見劣りします」
「もったいないお言葉です」
「そんなに畏まらないでください。私はただの子供ですよ」
「いえ、リップル伯爵令嬢にして、王国始まって以来の天才、そして殿下の婚約者候補ですから、そうはいきません」
「やめてください。殿下の婚約者候補は余計です」
「これは失礼」
アンティス団長と話していると、殿下が近づいてきた。
「ラテシア、アンティス、帰るぞ」
「転界晶のポイントまでもどろう」
「わかりました殿下」
「ラテシア、歩けるか」
と殿下に聞かれたときに、私のおなかが鳴った。ぐぅ~。
「殿下、おなかがすきましたぁ」私は甘えた声で言った。
「ふふふ、ラテシアはまだ子供なんだな」
「まだ子供です」と私は協調しておいた。
私は殿下たちについて遺跡をあとにした。
このときは、この事件が、あんな大事になるなんて思いもせず。
「あぁ、おながすいた」
第一章はじまり 完
転生の魔女 神殺しの魔女が転生したら大変なことに巻き込まれたお話 @ichinojou
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