第56話 自給自足へ

 明るい時間は大変にぎやかな島。

 主に工事ばかりだが――それもみんな生き生きと行っていることなので雰囲気はかなり良い島。

 そんな島の中で、周り程は音を出さずとも、今の島の住人の食を守っている1人がいた。

 それはルネである。


 そもそもルネのスキルってなんだっけ?と、思うかもしれないが。

 ルネのスキルは《生育》である。

 トップオーバカーネ国ではスキルが使えず。

 この島に来てからもその流れで使うことはなかったのだが――。

 このルネのスキル。

 使えるとこれこそ化けものだった。


「ルネさん。今日は何がある?」

「うーん。あの実とあのフルーツも大丈夫で。そこの野菜は新作」

「じゃあフルーツと野菜もらおうかしら」

「こっちもフルーツを」

「いっぺんに言われても無理だから」


 何が起きているのか。

 そもそもトップオーバカーネ国の時はスキルが使えなかったルネ。

 その理由は――まあ簡単に言えばルネの居た場所が悪かった。

 あの国では、それこそライの居たあたりしかはっきり言って自然環境が良いところはなかった。

 そして、ルネのスキルは。自然環境の良いところで発動する生育。

 植物が育つ――もあるが。

 ルネのスキルも十分おかしく。

 土地さえあれば、なんか生み出せちゃう。

 そんなスキルだった。

 そしてこの島には今もう1人の化け物。

 ライという化け物がおり。土地なんかそれはそれは良い物になっていた。

 普通なら海の横だから――と、思いそうなところだが。そんなこと関係なく。

 少し砂浜から離れただけでルネのスキル開花。

 そしてルネのスキルが使える間だけだが。それでも新しい食物が次々と――と、なっていた。

 それは観賞用もあったりするが。食用になるのもたくさん作られた。

  

 そしてもともとこの島人が増えたら食料どうする問題があったのだが。

 さすがに海があっても全部海で――は難しいのと、天候が荒れると取れない可能性もあったため。

 なので、島に自生していた作物を何とか家の近くで――などといろいろみんなで考えている時にたまたま。

 ルネがスキルを久しぶりに思い出して使った結果が――これである。

 あれよあれよと島で作られる者が増えていき。

 新しく島に来た人の中に水のスキル。アナイスさんと同じような人がいたこともあり。ルネ以外が作物を育てることもでき。

 というか、ライが居るので、そういう育てるのに必要な水とかも全て手に入っているのだが――。

 そうそう、水でもう一つ。

 

 これはアナイスさんがメインでしていることだが――この島。まさかの水道が完備されていたりする。

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濡れ衣を着せられ島流しになった俺がスキル《鉄道ジオラマ》を使い孤島を国にするまで。 くすのきさくら @yu24meteora

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