終末世界の魔道具師 ~機械の反乱で滅亡した日本をゴーレムで救います!~

ケロ王

新型SF魔導兵器 出動!

第1話 逃げた先は、終末世界でした。

「あああ、くそっ、邪魔だっ!」

「ニンゲンハ、ガイアクデス! センメツ! センメツ! センメ――」


 私は襲い掛かってくるロボットに『EX水鉄砲』の高圧水流を当てて破壊する。


「なんだよ、この世界は! 騙された!」


『異世界召喚装置』……私の開発した、異世界から魔王に対抗する勇者を召喚する魔道具だ。かつては生贄を何人も使って行っていた召喚儀式、それをお手軽に行えるようになった。


「勇者ガチャとかふざけたことするから、だいたい王国が悪いんだよ!」


 生贄が不要とは言え、代わりに大量の魔石が必要ではある。それでも民衆の反発が激減して、お手軽に召喚できるようになった。結果、王国は勇者を召喚しまくった。勇者のいた世界にあった『ガチャ』みたいなノリで。


『アタリ』勇者なら即採用。『ハズレ』勇者なら追放。そんな非道なことを繰り返した結果、『ハズレ』勇者たちによる反乱が起こった。しかも、『ハズレ』は偉いヤツらが分かっていなかっただけで、実は凄い能力ばかりだった。


 絶体絶命になったヤツらは、全ての責任を開発者である私に押し付けようとした。それに気づいた私は、異世界召喚装置を改造して勇者のいた世界『日本』へと転移してきた。


「――はずなんだけど、聞いていた話と全然違うんだけど!」


 召喚された勇者から、『日本』についての話をよく聞いていた。魔道具とは違う機械によって快適な生活ができる世界だと。マンガやアニメ、ゲームと言った娯楽がたくさんある世界だと。


「歩いても歩いても、廃墟ばっかじゃない! たしかに機械はあちこちにあるけど、快適どころか襲い掛かってくるんだけど……」


 先ほどから機械仕掛けのロボットに襲われている。幸運にも、使い勝手のいい銃型魔道具『EX水鉄砲』で撃退できている。その上、魔道具にも使えそうなパーツや回路も手に入れることができていた。


「もう少しまともに戦える魔道具が欲しいな……。せっかく、この世界に来たんだし、搭乗できるロボットとか落ちてると嬉しいんだけど……」


 召喚された勇者の一人が言っていた『地球が宇宙を支配する帝国と戦った時に活躍した巨大なロボット兵器』が見つかれば、この程度のロボットは敵ではないだろう。


「パーツは順調に貯まっているし、いっそのこと作ってもいいんだけどなぁ」


 頭の中に設計図はできている。パーツさえ揃えば、すぐにでも開発に着手できるだろう。カッコいいので、搭乗して戦えるようにするつもりだ。カッコいいので!


 だからと言って、乗らないと動かないんじゃ話にならない。ある程度自動で動くようにしないといけないだろう。



「脅威の高い個体を特定シマシタ。直ちに殲滅シマス」


 パーツ集めを兼ねて小型のロボットを狩っていると、突如として二足歩行のロボットが立ち塞がった。人型に近いけど、頭の部分が飛び出していないような形になっている。ロボットの右手が私の方に向けられると光弾が連続して発射される。


「うわっ、問答無用かよ……」


 慌てて瓦礫の影に隠れる。わずかに顔を出すと、そこを狙って光弾が雨のように飛んでくるため、状況をうかがうことができない。


「こういう時、魔法が使えないのが厳しいな」


 私の魔力量は異常なほど多いけど、魔力を魔法に変換するのが苦手で魔法は一切使えない。魔道具師を目指したのも、その欠点を補うためだった。


「さて、どうしたもの――うわっ、やばっ!」


 対策を考えていると、ひゅるるるという何かが飛来する音が聞こえてくる。嫌な予感がして瓦礫を背に走り出すと、私の背後で大爆発が起きた。爆発によってバリケードとなっていた瓦礫が粉砕され、ふたたび私に向けて光弾が放たれる。


「なんだよ、これ。卑怯すぎでしょぉぉ!」


 何とか別の瓦礫に身を隠すけど、すぐに爆弾が投げ込まれて逃げる羽目になってしまう。


「うーん、あの光弾さえ何とかなれば……あっ! 一か八かだけど、もしかしたら……」


 私はポーチから『リフレクトミラー』を取り出した。魔法を一度だけ反射することのできる結界を張る魔道具を構えて、私は瓦礫から飛び出した。


 瓦礫から飛び出した私に向けて、予想通り光弾が放たれる。


「タイミングは一瞬。跳ね返せるのは一発だけ」


 緊張感のあまり時間の流れが遅く感じる。胸の前に構えた『リフレクト・ミラー』に最初の光弾が触れる。同時に手を放して右に倒れ込む。続く光弾を横に転がりながら回避する。


「電撃弾、着弾シマシタ。敵、反射能力警戒。接近戦に移行シマス」


 跳ね返した光弾がロボットに命中する。わずか一発の反撃にも関わらず、ロボットは私の反射を警戒して光弾による攻撃を中止する。レーザーブレードを手に突進して振り下ろす。


「うへぇ、光弾使わなくても十分強いじゃない」


 突進の速度も油断できるようなものではない上、レーザーブレードは容易に瓦礫を真っ二つにする。


「ま、直線的な動きなら何とかなるか……」


 振り下ろされるレーザーブレードを紙一重で回避して、機体の中心部分に向けて高圧水流を撃つ。しかし、装甲も強化されているせいか、貫通どころか傷一つ入らなかった。


「くっ、鋼鉄でも貫通するはずなんだけどなぁ……しかたない」


 私は『EX水鉄砲』をポーチにしまって、包丁型魔道具『解体の鉄人』を取り出す。本来は魔物の解体を支援するための魔道具だけど、弱点看破と弱点貫通の能力があるため、戦う際にも有用だ。あくまで包丁だけど……。


「さあ、こい!」


 私は包丁を構えて切先をロボットへと向ける。当然ながら、切るためには懐に入る必要がある。私は、じっくりと機をうかがいながら、ロボットを見据える。

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