愛の致死量　～拝啓、神へ。　こんな世界に呼び出しといて、殺し屋を差し向けた無礼を許してあげる。その代わりこいつはあたしのもの～

短編執筆初心者の視点になりますが、話の波が絶妙なバランスで展開され飽きる事がありません。
物語の緩急もとても良かったです。
話の纏め方もとても良く、物語を読み終えたというスッキリとした気持ち、そしてこの結末に関して自分ならどうしただろうと想像を膨らませてしまいます。
大変勉強になりました。

医術士を志す15歳の平民少女・セシルが、魔道学園で兄の形見である日傘を盗まれたことから始まる物語。

まずは開幕の一騒ぎかと思いきや、伯爵令嬢タイナとの対立がまさかここまでドロドロの展開に発展するとは……

登場人物たちの感情が絡み合い、緊張感はエピソードごとに高まっていく。

こういう作品のことを“血の通った成長譚”と言うのかもしれない。

まじで読んでて心がぐちゃぐちゃになった。
タイナの暴走、兄の真実、セムヤザの必死さ、全部が重くてしんどいのに目が離せない。
セシルの「初めて人間らしいことができたと思った」って言葉、泣くしかないでしょ……。
悪魔のやり口がエグすぎて、最後まで手を抜かないのが逆に感心するレベル。
次どうなるの！？って気持ちが爆発してる。

読了したので書きます。

多くを語らないこと。この作品はその言葉が相応しいと思うので、内容についてはあらすじを読んでいただきたく思います。

奇跡は、ない。この意味は最後まで読んでいただければ理解していただけると感じます。過程なくして結果なし。世界は常に結果を渡す代わりに対価を求めるものです。そこに大小はありません。

1本の傘から始まる物語はセシルに何を教えるのか。そして、我々に何を見せて、何に魅させてくれるのか。

是非とも一読を！

物語は主人公の兄から貰ったパラソルを悪女に盗まれたところから話しが始まります。
主人公は15歳の平民女子。
不条理な世界に立ち向かっていく流れでしょうか。

ざまぁ有り。泣かせる展開やかっこいいシーンも詰まっています。
そして、物語の演出がとてもいい。
本作は3万5千文字で完結済で、さらりと読み切れます。
是非一読してみてください。

医術士を目指す１５歳の女の子セシルと、幼馴染の美少年セムヤザが、盗まれた日傘を取り戻すために、王子が主催する茶会に乗り込むお話——これだけ聞くと、「これは絶対にコメディに違いない！」と思われるかもしれません。
(実際、主人公セシルのパワフルさはコメディそのものでした）
しかし、その実、思うようにいかない人生を懸命に生き抜こうとするセシルと、彼女の奏でる音楽に魅せられ(セシルは昔、ギター弾きだった)、彼女を守り通そうとするセムヤザの、優しい愛の物語でもありました。

他の登場人物たちも魅力が詰まっております。既に亡くなった兄ユベール。日傘は彼が妹に送ったものです。そして、この日傘がとんでもない…続きを読む

私にとって初めてのいわゆるダンジョンものというんですかね？こういう物語を読んだのですが、ものすごい作り込みで、これをイチからというかゼロから作り上げたのかと思うと、筆者の創造力に脱帽するしかありません。タイトルもなかなか凝っててカッコイイですね。