今、これを見た彼方の縁の糸も、実はこの作品に絡まっていたのかも……

本来なら見ることなど出来ない、人と人を繋ぐ縁……
そんな縁の糸が可視化されたことで自分が抱える運命を知ることになる一人の少女の葛藤と成長が優しくも丁寧に描かれていて、読んでいて知らず知らずのうちに感情移入してしまいました。

心理描写や情景描写が丁寧に描かれていて、登場キャラの個性も含めて魅力があり印象に残りやすく、この作品の世界観に違和感なく入っていくことが出来ます。
この作品における肝となる〝縁〟の存在も分かりやすく丁寧に説明されていて、その姿の表現が美しく綺麗に描かれている点も見どころです。

人間なら誰しもが抱えているであろう人間関係の悩みを、優しく包み込むような言葉と表現で気付かせてくれる文章の構成も必見です。

手を引かれるように読み進めていけば自然と共感できる……そんな心に響く物語を是非ともご一読頂きたいと感じた作品です。