落ちこぼれに、神の加護は与えられない

神に選ばれるのは、勝った者だけ。
騎士を志す少年たちは、その信仰のもと、剣と命を賭けて殺し合う。

劣等生ヴァルターは、試合中に失禁し、敗北し、地面に這いつくばる。
周囲の観客は笑い、上級貴族のライベンは、彼の命と尊厳を踏みにじろうとした。
だがそのとき、舞台に割り込んだのは、幼馴染の少女セレナだった。

神の加護なき者は、治療すら拒まれるこの世界で。
騎士になれなかった少年と、神に従うことをやめた少女は、追われるように王都を離れる。

それは逃避ではなく、異端の旗を掲げる最初の一歩。

その他のおすすめレビュー

法王院 優希さんの他のおすすめレビュー1,072