読んだら絶対に死ぬ小説

@bisyoujo

 

 夜中、スマホが震えてる。


 膝を抱えた私は洗面所でガラス叩く。


 トン、トン。知らない番号が笑う。


「鏡見て」と呟くけど、私の手が勝手にキーボード叩いてる。


 送信。


 誰か死ぬかも。


 薄汚れた壁がチカチカ点滅して、カビ臭い電球が私をじっと見てる。


 鏡の中、私じゃない私が首傾げてくる。黒い目、深い闇がソファに座ってる。


 裸足で逃げたけど、フローリングが冷たくて叫び声が窓に映る。


「次はお前が送る番だ」ってスマホが言うけど、私は布団の中で鍵をかけた。


 ガラスに映る私が笑う。


 歪んだ口角が廊下に伸びて、錆びた縁が私を観察してる。


 トン、トン、音が頭の中で跳ねる。


 白熱電球が湿気を吸い込んで、私の手が震えながら「これを読んだら鏡見て」って書く。


 送信ボタンが押されて、リビングが暗い。


 誰かのイタズラか?

膝から崩れて耳塞ぐけど、私の声がガラスから聞こえる。


「次はお前が…次が…」


 窓の外でスリッパが笑う。


 スマホ投げ捨てた。


 洗面所が明るいけど、私の目は黒い。


 好奇心が負けて、誰もいない背後で彼女が動き出す。


 パジャマが曇って、髪が乱れてる私じゃない私が私を見つめる。


 ドアがカビ臭い。


 電気が全部ついても、心臓がトン、トン、叩く。どこにも逃げられない。


 鏡が私で、私が鏡で、声が私じゃない。


 2025年4月1日 八条 零[死亡]

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