エピローグ『星々のささやき』

夜の静寂が、世界を包み込んでいた。


 月は優しく輝き、星々はそれぞれの瞬きを繰り返している。


 ふと、目を閉じると、今まで出会った人々の声が聞こえてくる。


 遠い異国で交わした約束。

 冬の空に描いた未来の星図。

 海辺で拾った小さな貝殻の思い出。


 恋をした日、誰かと笑い合った日、ひとりで涙を流した日――

 夜空は、そんなすべての瞬間を見守っていたのだろう。


 誰かにとっての大切な夜が、星座のようにつながり、一つの物語を紡いでいく。


 12の星座、それぞれの物語。


 彼らの夜は続き、そしてまた新しい物語が生まれる。


 今宵もまた、誰かが夜空を見上げる。


 そこにはきっと、また新しい"ささやき"が待っているのだから。


【終わり】

――「夜空を見上げれば、そこには物語がある。」

12の星座に綴られた、ロマンチックで感動的な夜の短編集、完結!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『星降る夜に、君を想う』 Algo Lighter アルゴライター @Algo_Lighter

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ