概要
心を持たない少年は少女との出会いで、時計を動かし始める。
町はずれの小さな時計屋に、心を持たない少年がいた。彼の胸には、生まれつき動かない時計が埋め込まれ、泣くことも笑うことも知らず、ただ黙々と時計を直して暮らしていた。町の人々はそんな少年を『からっぽ』と呼び、冷たく遠ざけた。ある日、小さな少女が壊れた懐中時計を抱えて店を訪れる。少年が時計を直した瞬間、少女の笑顔に初めて胸の奥が軋んだ。それから毎日のように店に通い、少年に語りかける少女。「君は優しい人だよ」。初めてかけられた温かな言葉に、少年の中で何かが揺れ始める。そんな時、町の中心にある大時計が止まり、少年はそれを直すよう迫られる。しかしそれは、自らの命を削ることを意味していた。「君がいなくなる世界なんて嫌だ!」涙を流して訴える少女の言葉に、少年の心に眠っていた時計が、静かに動き出す。彼は少女の
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