転んだ先で、運命と出会った

港町の山手にある、小さな雑貨店「蒼井屋本舗」。
そこには日用品と、不思議な人たちと、そして誰かの『願い』が静かに並んでいる。

受験当日の朝、転んだ少女・瑠奈が差し伸べられた一本の手。
名前も知らないあの子のぬくもりを、どうしても忘れられなかった。

やがて名門校に入学した瑠奈は、雑多な日常の片隅で、
その『願いの続き』を探すように生き始める。

「頑張らなきゃ」と自分に言い聞かせながら、
「本当は渡したい」とポケットの中でハンカチを握りしめながら。

蒼井屋本舗の扉をくぐる人々が、少しずつ変わっていくように。
瑠奈もまた、誰かとの小さな繋がりの中で、静かに揺れ始める。

語られなかった願いを、そっと拾い上げるために。

ようこそ、蒼井屋本舗へ。
これは少しおかしくて、優しい誰かの物語。

その他のおすすめレビュー

法王院 優希さんの他のおすすめレビュー1,094