少女は奇跡を知らない
sui
少女は奇跡を知らない
少女は、今日も同じ道を歩く。
灰色の街、無表情な人々、変わらない毎日。
「奇跡なんて、あるわけない」
そう思いながら、うつむいて歩いていた。
ふと、足元で何かがきらめいた。
落ちていたのは、一枚の紙切れ。
裏返してみると、手書きのメッセージがあった。
「今日も生きていてくれて、ありがとう。」
少女の指先が、わずかに震える。
見知らぬ誰かが書いた言葉。
自分に向けられたものではないはずなのに、なぜか涙がこぼれそうになる。
小さく息を吸って、少女は顔を上げた。
雲の切れ間から、光が差し込んでいた。
それが奇跡なのだと、彼女はまだ知らない。
少女は奇跡を知らない sui @uni003
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