自分から好きになったのはキミだけ
玄栖佳純
第2話 ロミオメールとは何ぞや
九郎義経です。
「ありがとう またね、大好き」と聞いて、これほどボクに適したテーマはないと参上しました。
ボクの大事な元妻、静への愛を綴ろうではないかと。
ゆえに書いた。書いた、書いて書いて書きまくって……
そして気づく。
コレ、ロミオメールじゃね?
ボクと静の恋バナは日本史でも1,2を争う悲恋物語のはずで、それがどうしてロミオメール? 浮気して捨てた元妻や元カノに復縁を迫って送るロミオメール。男の自己愛に溢れすぎて気色悪くなるのがロミオメールとなるらしい。
ボクと静は世紀の大恋愛と言っても過言ではない。
それと同じはずがない。
元妻というのは、現在は違うと言うだけで、別れたけどそれは彼女の身を守るためっていうか、ボクと一緒にいたら命の危機があるというだけで、けっして他に妻がいたから邪魔になったというわけではない。
他に妻はいたけれど、それは政略結婚というかそうでもないというかボクと結婚しておけば身の安全が保障されるからとかそういう理由でだから嫌いというわけでもないけれど、他の女性との子供もいたけれど、それはとっても誤解であるです。
子供は誤解とかではなく、愛のない子供とかでもなくて、子供は子供です。可愛いたぶん。
他に女がいるから別れてと言ったつもりはない。他に女はいたけれど、ボクが好きになったのはキミだから結婚してみたいな感じだったような? 昔過ぎて記憶がおぼろげです。800年以上前だもの。
吉野山で別れた時、使う予定の修験者の道は女人禁制で、静は通れなかったのです。通れないのを言い訳にしてそこに置いてきたわけではありません。むしろ、そこに静がいたということが愛妾(愛する妾ではなくて愛しい人という意味です)である証明です。
命の危険が迫っている中でも一緒にいたわけです。
細かいことを突っ込みだすと、自分の立ち位置がどんどん悪くなるという……。おかしい。後ろめたいことはちょっとくらいしかないはずだ。
でも、これだけははっきり言える。
「大好きだよ。ありがとうは言わない。だって、これからも一緒だから」
これ、ロミオメールとして読むと怖い……。
「大好きだよ。キミが幸せなら、ボクは嬉しい。たとえボクが一緒でなくても」
文章を増やすとヤバい要素が増えるのか?
「大好き」
もうこれでいいよ。
「ボクは静にひとめぼれして、これからもずっと片思いです。」
これならロミオメールと言わせない。
書いている意味がわからなくなってきた。
自分から好きになったのはキミだけ 玄栖佳純 @casumi_cross
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