少年aの告白

SMILE

「大好きだよ」

あるところに、中学生の少年aと少女bがいました。

少年aは、少女bのことが好きでした。

とてもとても好きで、少女を見つめて。

少女のことしか考えられないくらいには。

少女bは、少年aのことが嫌いでした。

じっと見てくる目が、気持ち悪くて。

学校を休んでしまうくらいには。

少年aは、たまに休む少女bのことが気がかりでした。どうして休むのか精一杯考えました。

少女bは、休み明けの学校の日には特に少年が見つめてくることに気づきました。


好きで好きで好きで。

怖くて怖くて怖くて。


二人のすれ違った思いは、日にちを重ねるごとにどんどんと強くなっていきます。


ある日の放課後。

誰もいない廊下を、少女bは歩いていました。

少女bの前に、少年aが現れます。

少年aは、少女bに話しかけました。

少女bはひどく怖がりました。

少年aはその行動がひどく不快に見えました。

まるで少女bが自分のことを怖がっているような。

少年aは、月日が経つごとにこう考えていました。

誰にも見つからないような場所に少女を隠しておけば、自分だけの少女になるのでは、と。

まだ幼さの残る中学生。

罪の意識など大きくありません。


少女bは、頭の痛さとともに自分が地面に倒れていることに気づきました。

廊下でみた少年aの姿が脳裏にはあります。

頭が痛いままですが、起き上がろうとしました。

起き上がれません。

ふと、目を右に向けると少年aが立っていました。

「      」

少女は頭に衝撃を受け、ゆっくりと目を閉じます。

少年はほほ笑みを浮かべたまま、スコップを手に持ち変えます。






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