第3話 技能収集

「それじゃあ皆集まったかな?俺はこの国の第三騎士団、団長のメギドだ。よろしく頼む」


 俺達クラスメイトは朝早く起こされ、訓練場にまで呼ばれた。そして、俺達を呼び出したのは筋骨隆々の騎士然とした大男だった。


 その全身からは気の良い感じのオーラを纏っているが、どうにも嫌な気分になってくる。


「ステータスオープンと言ったら、自分のステータスが見れる。先ずはそれを教えてくれ、それによって訓練の内容も変わるからな。」

「ステータスって益々異世界っぽくなったじゃん。」


 誰かが叫ぶ…それと共に多数の人たちが自分たちの技能を叫んでいる。


 例えば…クラスの陽キャ代表で俺たちも戦う原因となったクラスの二大王子の一角の、如月英人の固有技能は〈勇者〉だったりする。


「他にも色々とチートな技能が有るらしいな」


 因みに俺のステータスはこんな感じだ。


 名前 小見門・悠馬

 職業 無し

 種族 人間

 体力 10/10

 気力 10/10

 魔力 10/10

 攻撃力 11(攻撃強化+1)

 防御力 10

 魔法力 10

 抵抗力 10

 速度力 10

 固有技能 簒奪

 固有技能

 閲覧Lv1.衝撃波Lv1

 汎用技能

 暗視Lv1.思考加速Lv1

 戦闘技能

 体術Lv1.剣術Lv1.隠密Lv1

 魔法技能

 魅了Lv1.着火Lv1.浮遊Lv1.念力Lv1

 生体技能

 触手Lv1

 強化技能

 硬化Lv1.攻撃強化Lv1


 このスキル群の殆どは報告しないつもりだ。もしも技能狩りをしているとバレたら何をされるか分かったもんじゃない。取り合えず閲覧と簒奪のみを報告する積りだ。


「ステータスが低いな…」

「何かすみません。他の人たちのステータスってどのくらいなんですか?」


 俺が聞いてみると、メギドさんは大体が500を超えているとの声が、俺は反芻する。俺と彼らの差は思ったよりも大きい様だ。


「…しかし簒奪持ちか。成程…後でお前に用事がある。」

「おっ…お前は簒奪かよ。俺の技能を奪うなよ。」


 クラスの暴君…竜童満が叫ぶ。それと同時に辺りから聞こえる声は、俺を追い詰めていく。


「技能を奪う…怖いわ」「俺も奪われるんじゃ無いか」「怖い」「まるで敵が使うような技能だ」


 そんな声が辺りに響き渡る。それを誰も止めようとしない。先生の方に目をやっても虚ろなだけで、何もしてくれない…本当に洗脳でもされているのか?


「それじゃあ各々特訓を開始するぞ。悠馬はこっちに来い」


 それからメギドさんに案内された場所にまで来ると…そこには魔法陣が輝いていた。


 その上に立てと言われて俺は恐る恐る立った。そして光が目を包んだと思ったら、今までとは全く違った場所にまで来ていた。


「ここは牢獄…大罪を犯した者が入れられている。ここで好きなだけ技能を奪え」

「分かりました」


《技能〈魔力感知Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈魔力強化Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈魔力操作Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈圧縮Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈気力支配Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈放出Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈操炎Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈送風Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈肉体改造Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈練成Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈格闘Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈魔力撃Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈演算処理Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈並列思考Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈亜竜翼Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈再生Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈操風Lv1〉を簒奪しました》 



「取り合えずこれで大丈夫です。」

「そうか…それじゃあ帰るぞ」


 それから訓練場に帰ってきた俺は、地面に座って技能の特訓を始める。指先から着火のスキルで火を灯し、その火を操炎で操る。そんな作業をしていたら後ろから声を掛けられた。


「よぉ…悠馬ちゃんよ。俺の技能の実験体になってくれね?」


 俺に声を掛けてきたのは満の腰巾着の山下美太郎だった。確か此奴のスキルは創造だったかな?ざっくりと見ただけだから分からないが、ありとあらゆるものを創造するとか何とか。


「唸れ火炎…」

「止めろ」


 火炎が俺に届かんとしていた所でメギドさんが割り込んできた。そのお陰で助かったが、代わりにメギドさんが火に包まれてしまった。だが、それをものともせずに普通にしていた。


「仲間だろ。そんな危なっかしい事は止めろ」

「はいはい…分かりましたよ」


 美太郎がどこかに言ったのを確認すると、メギドさんは俺の方を向き大丈夫かと聞いてくれた。


 それに対してオドオドしつつも大丈夫と答えるとメギドさんは何も無かったかのようにどこかへと歩き去った。


「あぁ言うのをリーダーの資質って言うのかね。」


 それから特訓も過ぎた頃に俺の部屋の扉を叩く音が聞こえてくる、その足音の正体はアルメシアだった。


 今夜の技能狩りの為に態々来てもらったのだ。それから技能を奪うべくスラム街にまで出て、多種多様な技能を奪っていく。


《技能〈思考強化Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈使役Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈身体強化Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈大斬撃Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈二段切りLv1〉を簒奪しました》 

《技能〈耐熱耐性Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈耐冷耐性Lv1〉を簒奪しました》 

《技能〈痛覚無効Lv1〉を簒奪しました》 


「使役の試してみたいし…その内魔物狩りをしてみるのも良いかもな。」

「その際には私もご一緒させてもらいますね。今の貴方様ですと死にかねませんから」


 それから複数人から技能を奪い朝が近づいてきたころに、俺は元の部屋へと戻っていた。


 そのまま朝を迎えるまで技能の使い方を練習していた。特にステータスアップ系のスキルは一番重要だ。


「それでは私はこの辺で。」

「あぁ…アルメシアもお休み」



 —————————

 あとがき

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ZEROから魅せる成り上がり~簒奪の技能を宿した男が、全てを手に入れるまで~ 半目真鱈 @yugudorasiru

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