技術編①-7 (2015/4/25)

 テレビドラマをBGMに、辻はベッドに寝転がりながら物思いに耽っていた。


 仮説を立てた日以降、辻は半信半疑ながらも記憶を辿る努力をしていた。その努力は実り、うっすらとだが記憶が蘇っていた。


 西澤と立ち上げた会社:DXLinkの成功。そして、それに至るまでに舐めさせられた苦渋。


 共同創業者とは名ばかりで、実質的にはあの人に支配されていた。経営が苦しい時、辻の報酬は減らされるも、あの人は十分にもらっていた。会社の方向性を決める重要な会議では、すべてあの人の意見で押し切られた。

 何よりも許せないのは、様々な場面で、DXLinkはほとんどあの人が手掛けたかのように吹聴していたことだ。現場を回していたのは、大部分が辻であるにも関わらず。


 テレビ画面の上部に緊急ニュースの文字が点滅する。どうやら、ネパールで世界規模の地震が起きたようだ。


(あー、本当に・・・タイムリープしているんだ。)


 自身の中で答えが出ていたので、驚きはなかった。


 静かに、あの人への報復を誓うだけだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

キャッシュ・クリア tsuji2025 @tsuji2025

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ