第3話
みんなの力を借りて、世界で1つしかない、思い出が詰まったノートができた。
クラスのみんなだけでなく、先生達や学童の下級生達も、若菜にメッセージを書いてくれた。
そして、卒業式当日。
「若菜」
式が終わって、俺は若菜にノートを渡す為に、教室に呼び出した。
教室には誰もいない。みんな外にいるんだな。
「渡したい物があるんだ。」
若菜にノートーを渡した。
「中を見てほしい。」
若菜はゆっくりとノートのページをめくる。
「…っ!!」
若菜はノートを抱きしめ、ぽろぽろと涙を流した。
「これ、いつの間に…?」
「みんなでこっそり作ったんだ。」
「あ…」
若菜は膝から崩れ落ちた。
「すっごく嬉しい…!!ありがとう…!!」
「イギリスに行っても、これがあったら寂しくないだろ?」
「うん…!!」
俺は、涙を流す若菜を抱き締めた。
「好きだ!!若菜!!」
「!!」
若菜は驚いて固まっていたけど、直ぐに俺の背中に手を回してくれた。
「私も…!晃ちゃん…!!」
「「おめでとーーう!!!」」
「「!!?」」
いつの間にそこに居たのか、クラスのみんなが紙吹雪をまきながら登場した。
俺は若菜を抱き上げた。
「俺、ずっと待ってるから。」
「うん…!!」
若菜、みんな。
“思い出”と言う素敵な宝物をくれて、ありがとう。
思い出のノート ぽんた @pontaimo
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