ドーナツと妖精と卒業式

京極道真  

第1話 ハルルとハルオ

「あと2日で卒業だな、ハルオ。」

「そうだな。」

ケイゴは軽いカバンをくるりと振った。

グランドで少し立ち止まり。

「サッカーの3年間楽しかったな。」

「そうだな。」

「ケイゴ高校でもサッカーするのか?」

「さあーな。ハルオは?」

「僕は中学で燃え尽くた。それに上には上で中学とは違うからな。」

「そうだなハルオ。」

僕らは2人は幼なじみだ。来月からも同じ高校に通う。腐れ縁だ。だがその響きは僕には宝物だ。

僕らは駅前まで来た。

「Nドーナツかあー。食べてかないか?」

「食べたいが、今日は午後からおじいちゃん家の墓参りに行くんだ。」

「そっか。じゃあな。」

「じゃあな。」

えっ?Nドーナツのガラスにへばりついてる虫?羽根?

虫のくせにドーナツがたべたいのか?

まあいいか。僕はいつも通り駅前を右へ。

「ただいま。」

「お帰り。ハルオ、カバンをおいてきなさい。おじいちゃん家に行くわよ。お姉ちゃんは先に行ってるよ。」

「そう。」

姉貴の高校からは歩いて10分とかからない。

「ハルオ、テーブルの上のドーナツも一緒に持ってきて。」

「はーい。」

ラッキー食べたかったんだよなあー。

車まで15分。おじいちゃん家に着いた。

姉貴はもう着てる。先にお墓参りね。

4人で歩いてお墓へお参り。

近くだから母さんはもしょっちゅう来ている。

僕は年1だ。

帰り道、

トンボ?この時期には早すぎる。

風はまだ少し冷たい。

が小さな花と緑の草がたくさん出てる。

虫がいてもおかしくないか。

僕らはおじいちゃの家に入った。

母さんのドーナツを「パクリ。」

えっ?目が合った。羽根のある妖精?僕は食べてしまった。

僕はそのままパタン。

夢か?

僕の背中に羽根。

「飛べるぞ。」

「当たり前でしょう。君は妖精ハルルを食べたんだから。」

「妖精か?楽しそうだ。」

僕は空を飛んだ。家が駅が学校が小さく見えた。

「どう?空からの景色は?」

「最高だ。」

「でしょう。」

「ハルオ、君は小さい私。虫じゃないぞ。

妖精を見つけた。そしてドーナツと一緒に食べた。

今は私の羽根で空を飛んでる。

すべてつながっているよ。

見たい人には見える妖精ハルル様。

覚えておいて。

この世界には不思議なことがまだまだいっぱいあるわよ。楽しむのよハルオ!」





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