四月一日にキスの練習しよう?って言われたオレは…

猫の集会

ウエイト

 オレにはかわいい幼馴染がいる。

 

 別々の高校なんだけど、学校とバイトが休みの日は、基本幼馴染の水樹はオレの部屋でゲームを一緒にしている。

 

 …のですが、ゲーム中いきなりの質問をぶっ込んできた幼馴染の水樹みずき

 

 

 

「ねぇ、陵太りょうたってどんなキスするの?」

 って…

 

 ⁈

 

 ゲーム対戦中にいきなりの質問…

 

 オレは、いきなりの質問にびっくりしてコントローラを床に落としたよね。

 

 

 …

 

 なに⁉︎

 

 そんなさらっと言うってことは…水樹は、経験済みなのだろう。

 なんなら、最近誰かとキスしたんか?

 

 

 

 …

 

 いつのまに…

 

 

 オレは悔しくてつい、

「あー、普通じゃん?」

 って返しちゃったよね。

 

 

 したことありませんけどねっ‼︎

 

 

(えっ、陵太…キスしたことあるんだ⁈まさかの経験者だった…わたしは、てっきりお互いしたことないってなって練習する?みたいなこと狙ってたのに…なのに…なのに…)

 

 

「あー、普通なんだ…」

「うん。てか…オレとしてみないと、どんなか…わかんないよね。きっと…」

 

 知らんけど。

 

 そんなオレの適当な言葉に水樹は、

「じゃあ…してみてよ」

 なんて、サラリとおっしゃりましたね。

 

 ⁉︎

 

 してみてよとは⁇ 

 

 

 え…

 

 それは…もしや…あれか。

 

「ヤダよ!エアーとか一番恥ずいし」

「ううん。わたしでして?」

 

 

 ⁈

 

「はぁ⁈な、なんできゅ…きゅうにっ」

「練習だよ。やっぱり練習って何事も大事でしょ?」

 

 

 …

 

 練習…

 

 

 水樹…そんなにキス上級者になって、ダレをおとすつもりだよ‼︎

 てか、もうしたんだろ?

 

 オレで練習して本番は…今度こそちゃんとしたキスリベンジをと企んでおるんか?

 

 そんなの…オレが許さん‼︎

 

 でも…オレ…キスしたい。

 

 

 したいしたいしたいです‼︎

 

 

 

 ってことで、理性崩壊。

 

 

「しよう‼︎練習‼︎」

 

 

 オレは一瞬で熱血マンになって立ち上がってたよね。

 

 

「えと…なにも立ち上がらなくても…あ、でも立って練習ありかも!」

 

 と、水樹も立ち上がった。

 

 

 …

 

 

 オレたちは、向き合ってなんとなく笑った。

 

 

「なんなん?これ」

「ほんと凄い状況。キスの練習ってさ…てかさ、あれかな?練習ってそもそもあの、やればやるほど上達する的な?…」

 

 それは、めっちゃしていいんか?

 これは、オレへの挑発ちゃうん?

 

 …

 

「水樹ちゃん、おはなしがすぎるよ?」

 

 

 オレはキザ風を装って、いきなり水樹に壁ドンしてあごくいしてやった。

 

 なぜならオレは待ちきれん‼︎

 

 そんな挑発されたらね…

 

 いきなりのオレの行動にきょどる水樹。

 

 

「えっ…そ……」

「ん?もういい?オレは早くしたいんだけどなぁ?」

 

「あ…はい。お願いします」

 

 顔を赤くして、静かに目をつぶる水樹。

 受け入れ態勢整いました感〜

 

 てかさー…

 

 うわー、かわよ♡

 

 こんな、いきなりの展開ありえるん?

 

 でもさ…

 

 ちょっと待って‼︎

 ウエイト

 

 もしかして…

 

 しようとした瞬間、ドッキリだよーって寸止めとかありそう。

 

 うん、そうに決まってる。

 

 だって今日は…

 

 今日は、四月一日っすから。

 

 

 てなわけで、阻止されるの当たり前で挑んだんよ。

 

 

「では、いただきますっ‼︎」

 ってさ。

 

 

 そしたら、まさかの…防御なし…?

 

 え?いいん?

 

「するよ?」

「うん」

 

 

 …

 

 あれ?

 

 ガチ?

 

 いいん?

 

 なら、するよ⁇

 

 

 少しずつわざと鼻息を近づけてみた。

 

 するよ?するよ?的な感じでさ…

 

 すると…

 

 動じない水樹。

 

 そこで笑うんよね?

 普通はさ…

 

 笑わないってことは…ガチなんじゃね?

 

 

 なら、しちゃうよ?

 

 ん?

 

 

 しちゃうからね?

 

 

 

 ぷにっ

 チュゥ〜〜♡

 

 してしもうたー‼︎

 

 や、柔らかっ‼︎

 

 あったかっ‼︎

 

 

 もう全身とけそ……………うってか‼︎息もちません‼︎てことで、オレは水樹から離れて呼吸を整えた。

 

 

 ハァハァハァ

 

 

 こ、このハァハァは…息とめてたからなんだよね?

 

 でも、心臓がドキドキしてるのは…呼吸が荒いせい⁉︎

 

 それとも…

 

 

 …

 

 

 あー、もう一回してー…って言えるわけないよね。

 

 飢えてる人みたいだもんね。

 

 なんなら、水樹のこと好きってバレちゃうよね…。

 

 

「あの…陵太…」

「ん?」

 鼻息荒くてキモいって言われる?

 

 それとも…

 まさか…下手くそって言われたりしないよね?

 

 

「あの…今度は、わたしからしてもいい?座ってしたいかも」

 なんていうんです。

 

 ガチのやつやん

 

 ⁉︎

 

 そんなことってあるんですかーー‼︎

 

 ラッキーじゃん‼︎

 

「あ、マジ?いいけど」

 

 冷静を装うオレ。

 

 

 でも、めっちゃ心はガッツポーズです‼︎

 

(陵太は、やっぱり冷静だなぁ。わたしなんか、めっちゃカラダに変な電気みたいなのはしって、たってられなかったのにっ‼︎だれよ⁉︎陵太と初めてのキスした人ー…ずるいってば‼︎てか、許さない‼︎だれだか知らないけど、ファーストキスよりもすごいのしてやるんだから‼︎陵太のキスの記憶、わたしが一番って思わせるんだから‼︎)

 

 

「あの陵太、じゃあ…するから座って?」

「あぁ、うん」

 

 

 …

 

 さっきまでゲームに夢中だった二人なのに、今はお互いに夢中なのです。

 

 って、オレはナレーションを入れている場合じゃない‼︎

 

 

 される側って、めっちゃ緊張すんじゃん…

 

「じゃあ、するよ?」

「おう」

 

 どんどん迫ってくる水樹…そして…

 

 

 オレはそっと目を閉じたよね。

 

 

 

 チュゥ♡チュウぅ♡

 

 キター‼︎

 

 あったかいやつー‼︎

 

 ムニって柔らかいやつキター‼︎

 しかも一回離れたかと思ったら、またしてくるって…最高かよ‼︎

 

 ずっとこのままでもいいな…。

 

 時空が歪んで時が止まんないかな?

 

 

 …

 

(もっとしたいけど…息もたないっ)

 

 プハッ

 あー…終わってしもうた。

 

 

 ってさ‼︎

 

 もうさ、もっとしたいっ‼︎

 

 オレは壊れたよね…

 

「水樹、もう終わり?そんなんじゃものたりないって」

 

 スパルタキス連発動中です。

 

 チュゥ〜♡チュウチュウチュウ〜っ♡

 

 オレは強制おかわりをしてしまいました。

 

 

 だって…理性壊れてますんで。

 

 

 てかさ…オレやっぱり水樹が好きだって改めて思ってしまった。

 

 

「水樹…どうだった?オレとのキス」

「うん。刺激的すぎた。」

 

 マジかー‼︎

 

 これは合格なんじゃね⁈

 

「あー、でも…」

「でも?」

 

 でもなんよ?

 やっぱりファーストキスした人の方がうまかったとか言うなよ…?

 

「でも…陵太とファーストキスした人…ずるい」

 って、ムッとしながらオレをみてくる水樹。

 

 

「それいうなら、オレも同じ言葉返す」

 

「えっ、だって…わたしは…今した陵太とのキスがファーストキスだったよ?でも…陵太は、他の人とすでにしたんでしょ?」

 

 

 ⁈なんですって⁈

 

 なんてことでしょう。

 

 

「マジ⁉︎マジかよ‼︎オレもさっきのがファーストキスなんだけど?」

 

「え?そうなの?」

「うん。…記念にもっとしていい?」

 

「うん。わたしもしたい。」

「じゃあ、これから毎日してもいい?」

「うん」

「いつまで?」

「永遠にして♡」

「マジか。てか、今のって逆プロポーズじゃね?」

「あ、そっか…あつかましいね…」

「全然。むしろオレもずっと一緒にいたい。だから、そう思ってもらえるように水樹を大切にする。大好きだよ、水樹」

「ありがとう。わたしもずっと一緒にいたいって思われるように頑張るね。陵太、大好き♡」

 

 

 

 チュゥ〜♡

 

 

 ドッキリかと思いきや、最高な日々の幕開けです♡

 

 

 

 おしまい♡

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