KAC20252 救われた私は、一歩踏み出した。彼の元へと……
久遠 れんり
救われて、心を引かれて…… 私は……
「嫌、誰か助けてぇ」
今、私は不良達に囲まれて、私は絶体絶命。
スマホに何か通知が来て、つい見ただけなのに……
五人ほどの不良に、ぶつかってしまった。
「人に怪我をさせたんだ、普通慰謝料だろう。十万で良いぜ」
「ふざけないで、そんなお金あるはずないし、元気そうじゃない」
そう、どう見ても嘘。
身長百六十二センチしかない私、体重だって…… かっ軽いし。
道行く人はそこそこ居るのに関わるのが嫌らしく、私たちを避けて流れていく。
周りを見回しても、目を逸らされる。
「そんなぁ」
私がもっと美人なら、誰か助けてくれるかもしれない。
だけど、普通だし。
絶望する私、そこに予想もしない人が助けてくれた。
彼は、
同じクラスに居るけれど、とても物静かで…… クラスに友達も居ないんじゃないかな……
彼も、そんなに大きくは無く身長百七十センチあるかないかくらい。痩せ型で体重もきっと重くはないと思う。
私は彼らに対して伏在くんが声をかけて、気を引いたとき、ズルいけれど逃げようと思った。
男の子なら、きっと怪我をするくらいで、それ以上ひどいことにはならない。女の私とは違う。
そうそんな事を考えてしまった。
「貴様ら、命が惜しくなければ来るが良い」
彼は、某世紀末漫画の主人公のように、相手を挑発をする。
手の平を上に向けて、彼の指が数本いやらしく動く。
「なんだお前、女の前でヒーローごっこか? ああっ?」
そんな、全くひねりもない、定番の台詞を言うと、彼の胸ぐらを不良の一人が掴みに行く。
彼はすごいスピードで、流れるようにその人の手を掴むと、肘に向けて手刀を落とす。
そして、半身になると、相手を引き倒してしまった。
「おっとぉ、これは小手返し。相手の手をホールドしたまま、相手の肘に力を上から下に掛けて、自らの正中線側に相手の体を引き込み引き倒す。力を流すようにするのが重要なわざだぁ」
その光景を見て、思わず私は、口にしてしまう。
「ぐわっ」
「おっとぉ、伏在くんに甘さはない。そのまま、相手の肩関節を決めているようだぁ」
私はそう叫び、相手達の様子を見守る。
「ちっ、てめえ。よくも和気を」
「おっとぉ、この状態で個人情報を晒したぁ、倒れているの和気君だそうだ。私はすかさずメモを取るぅ」
そう言っている間に、テレフォンパンチで伏在くんを殴りに行った。
「ふっ」
「伏在くんは、息吹を決め、なんと小首をかしげるだけで相手のパンチをかわすう。構えた状態から、拳を耳の辺りまで引いてから放つ、大ぶりの素人臭いストレートパンチでは、相手にならない。おおっと、肩に手首が掛かったままだ、伏在くんは相手の肘を極めに行ったぁ、これは我慢をすると肘が折れるぞぉ、どうする気だ…… やはり膝をおり、跪いたぁ、そうだそれしか手はない。おっとぉ、そこで躊躇なく顔面に膝蹴りだぁ。伏在くんの無慈悲な攻撃。これは効いたぁ。セオリーなら一人ずつじゃなく一気に掛かるのが普通なのに、さすが知恵がたらない不良たち」
それが聞こえたのか、一気に動き始める不良達。
だが喧嘩慣れをしていないようで、連携が取れていない。
ボディブローと、顎をかすめるパンチ、最後の一人は無慈悲な金的で彼らは倒れてしまう。
「畜生覚えてやがれ」
彼らはそう言って逃げてしまった。
「最後まで不良っぽい不良ね」
私は、呆然と見送る。
そして、気がつけば伏在くんが居なくなっていた。
「あっ、私、御礼も言っていない」
私は少し反省をしながら、無事に家へと帰った。
明日彼に会うのが楽しみ。少しドキドキしながら思ったの……
彼になら、あげても良い♡。
そう、今日の出来事で、私は彼にあこがれを抱いてしまった。
彼は一体、何者なのだろう。
私は、子供の頃から大晦日になると、強制的に格闘技を見せられて育った。
そのため、ちょっぴりだけ、強い男の人にあこがれがある。
かれは、
その人は普段、学校では無口で、どちらかと言えば少し怖いと思っていたクラスメート。
助けられて、彼の事が気になり始めた……
人は見た目では判らないもの、彼の元へ勇気を持って踏み出し、私は御礼と共に告白をした。
ついでに喧嘩の最中に、名前を連呼したことを怒られた。
「ああ親父というか、子供の頃から修行をしているんだ」
彼は少し、悲しそうな表情で教えてくれた。
戦国時代から続く、一子相伝の暗殺術。
おのれの体という体を凶器とするため、鍛えに鍛え上げているという。
その身体能力は、手刀でスイカ割りが出来るとか……
「それってすごい…… わね?」
「すごいだろう」
少し彼が嬉しそうだったから良いわ。
実際の切れ味は、スイカ割りどころではなく、キャベツの千切りが出来るほどだった。
手刀に気を纏わせる事で成すとか。
「意外と便利なんだぜ」
彼はどうも、北○ではなく南○の使い手だった。
この世界、現実にあの技を使う人間がいるとは思わなかった。
そうして、彼と付き合い始まったのだが……
幼き頃から体をいじめ抜いた彼は…… そう虐められるのが好き。
攻撃を受けると嬉しいらしく、私は、それに応えるために、打撃や関節技を駆使して、毎夜彼と戦う。
だけどそんな中で、私の中にある変化が……
苦痛の表情を見せる彼、そんな表情を見て私はぞくぞくして、高まっていく。
そう彼のおかげで、新たな世界を開いてしまった様だ。
「いらっしゃい、跪かしてあげるわ」
「望むところだ、行くぞ…… うあっ。もっと、もっとだぁ」
「もちろんよぉ。このくらいではすませないわ」
義父や義母も微笑ましく二人の修行を見てくれる。
「わたし、しあわせだわ……」
そんな修行は、無論ベッドの上でも♡
KAC20252 救われた私は、一歩踏み出した。彼の元へと…… 久遠 れんり @recmiya
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